転職活動から会社に留まった理由とは
転職を考える社員が増えている中で、どういった理由で転職活動を行い、また、どのようにして現在の会社に留まる決断をしたのでしょうか。ミイダス株式会社が実施した調査では、直近3年以内に転職活動をしたが、現在の会社に残った215人を対象に、転職活動の実態を追跡しました。今回はその結果に注目し、特にハイパフォーマー社員と一般社員の違いについて検証していきます。
調査の背景
ミイダス株式会社は「はたらいて、笑おう。」をビジョンに掲げ、企業とキャリア志向の社員をマッチングするサービス、ミイダスを提供しています。この度、同社が行った調査により、転職を思いとどまらせた重要な要因がいくつか明らかになりました。特に、昇給の機会が多くの社員にとって大きな決め手となっていることが見えてきました。
転職を思いとどまった理由
調査によると、転職を思いとどまった理由として最も多いのは、昇給の機会が提供されたことでした。具体的には、ハイパフォーマー社員の26.6%、一般社員の16.0%がこの理由を挙げています。ハイパフォーマー社員は、より自身の成長を求める傾向にあるため、昇給の機会がその決断に大きく影響したと見られます。
さらに、ハイパフォーマー社員の85%近くが、自身の考えや悩みを企業に伝える機会があることで転職を思いとどまったと回答しています。この数値は一般社員の約65%を大きく上回っています。
会社とのミスマッチの減少
また、両グループともに、会社と自身の考えのミスマッチを減らすためには、透明性の高い評価制度の導入が最も効果的であると回答しました。調査では、ハイパフォーマー社員が45.9%の支持率を示し、一般社員でも40.6%が賛同する結果となっています。このことから、社員が安心して意見を述べることのできる制度が職場環境には重要であることが浮き彫りになりました。
キャリアアップに対する意識の違い
転職を考えるきっかけに狙いを定めると、ハイパフォーマー社員が41.3%で「成長やキャリアアップの機会が限られていた」と感じていたのに対し、一般社員は54.7%が「給与が低かった」と回答しました。これは、ハイパフォーマー社員がより先を見越してスキルアップを求めていることを示唆しています。
さらに、転職活動を開始する理由を見ても、ハイパフォーマー社員は「仕事の内容を変えたかった」と回答したのに対して、一般社員は「給与を上げたかった」との結果が見られ、役割や仕事内容に対する満足度が異なることが増えています。
仕事への影響と動機の変化
調査に参加した社員からは、転職を考え始めてからの仕事への取り組みの変化も報告されています。特に、ハイパフォーマー社員の35.8%が「仕事に対するモチベーションが下がった」と回答し、一般社員も27.4%という結果でした。このことから、転職に関する悩みが日常業務に影響を与えることが多いことが分かります。
まとめ
ハイパフォーマー社員と一般社員の調査結果からは、転職活動の動機やその後の選択において明確な傾向が見られました。専門的なスキルを持つハイパフォーマー社員は成長志向が強い一方で、一般社員は給与面を重視しがちです。企業はこのような社員のニーズを理解し、透明性の高い評価制度や意見を言いやすい環境を整えることで、社員の定着率向上に寄与することが求められています。今後も社員の声に耳を傾け、彼らが働きやすい環境をつくることが企業の成長に繋がるでしょう。