ウィンボンドの新製品 W77Tセキュアフラッシュメモリ
2024年12月11日、台湾台中に本社を置くウィンボンド・エレクトロニクスが新たに発表した車載業界向けのTrustME(R) W77Tセキュアフラッシュファミリは、その性能と安全性から注目を集めています。車載要求が高まる中、特にSoftware-Defined Vehicle(SDV)や電子・電気(E/E)システムの開発において重要な役割を果たすこの製品は、コネクテッドカーや自律走行車に向けた高度な保護機能を提供します。
W77Tの先進的な技術
W77Tは、業界標準のOctal/xSPIインターフェイスを採用し、200MHzのDTR(Double Transfer Rate)で動作します。この性能により、最大400MB/秒の読み取り帯域幅を実現しており、特に高速ブート時間や高性能処理が求められる車載用SoC(System-on-Chip)デザインに適しています。ターゲットとして64Mビット〜1Gビットの容量を持つデバイスが用意され、TFBGA(オクタルSPI)、SOIC(クアッドSPI)、WSON(クアッドSPI)という異なるパッケージで提供されます。
また、W77TはPCベースの実装用に8つのカウンタを備えた拡張Replay Protected Monotonic Counters(RPMC)を実装し、さらにJEDEC SPI CRC、JEDEC xSPI互換インターフェイス、エラーチェック(EC)機能など、さまざまな高度な機能を持っています。
安全性の確保
ウィンボンドのTrustME(R)セキュアフラッシュファミリーには、最新のセキュリティエンジンが実装されており、ポスト量子暗号(##PQ)やNIST SP 800-193準拠のファームウェア耐障害性などが含まれています。これにより、車載デバイスの功能安全やデータ完全性が保証されると同時に、様々なセキュリティ基準、ISO26262機能安全要件も満たしています。
多様な機能で支える車載価値
W77Tメモリは、既存のW25Q NORフラッシュおよびW77Qセキュアフラッシュファミリーと下位互換性があり、以下のような機能を提供します:
1.
コードとデータの保護:ハッキングによる改ざんを抑止し、TCG DICEに基づくRoot of Trustの実装を行います。
2.
厳しい認証プロトコル:許可されたアクターとソフトウェア層のみにアクセスを制限。
3.
アップデートのセキュリティ:ロールバック保護機能による安全なソフトウェア更新機能。
4.
プラットフォームの回復力:NIST SP 800-193に従った未承認コード変更の検知機能。
5.
セキュアなサプライチェーン:保証されたフラッシュコンテンツの整合性を持ち、誤設定や改ざんから保護。
ウィンボンドは新しいW77Tセキュアフラッシュ製品を通じて、車載フラッシュコンポーネントの安全性とセキュリティを強化し、今後の車載ECU設計者や自動車メーカーに対してもその重要性を訴えています。市場のニーズに応じた内容を持ち、特に自動車産業における高性能かつ多機能の安全性を追求する製品として位置づけられています。
256Mビット、512Mビット、1Gビット品はすでにサンプル提供を開始しており、64Mビット、128Mビット品も近日中にサンプルが登場予定です。
ウィンボンド・エレクトロニクスの概要
最後に、ウィンボンド・エレクトロニクスは、メモリおよびロジックICに特化した企業で、製品設計から製造、マーケティングに至るまで一貫したソリューションを提供。特に、車載、通信、コンシューマ向けなど多様な市場でその製品が広く採用されています。
詳細についてはぜひウィンボンド公式サイトを訪れてみてください。