社会貢献に向けた新しい寄付のスタイル『遺贈寄付白書』発表
2024年9月1日、日本承継寄付協会が日本で初めて発行した『遺贈寄付白書』が注目を集めています。本レポートは、遺贈寄付に関する包括的な調査結果を集約し、専門家の意見や寄付先に関する新たな調査を加えた内容で、日本社会における遺贈寄付の現状とその将来にわたる重要性を詳細に分析しています。
遺贈寄付とは
遺贈寄付は、個人が自らの死後に遺言を通じて、財産の一部または全体をNPO法人や大学、自治体などに寄付する仕組みです。特に高齢化が進む現代の日本においては、資産が高齢者に偏りがちであるため、将来的な社会貢献や高齢者以外への資金流入が求められています。これにより、個人の思いが形となって社会に貢献する手段として注目されています。
日本承継寄付協会は、2019年に設立以来、遺贈寄付を日常的に行える社会を目指し、さまざまな取り組みを行っています。
遺贈寄付白書の意義
遺贈寄付の認知度は上昇しているものの、実際に実行に移すことができている人は少数です。そこで、本白書では遺贈寄付についての可視化されていない情報を集め、社会全体でその価値を共有することを目的としています。これまでに行われたさまざまな調査結果や、専門家による座談会の内容、イギリスの先進事例についても触れています。
遺贈寄付の重要性は今後さらに高まり、社会全体の課題解決に寄与することが期待されます。本白書をもとに、遺贈寄付の重要性を広く訴える活動を継続していく予定です。
調査結果の要点
遺贈寄付に関する調査の結果、以下のような傾向が明らかになりました。
1.
認知度の向上
2023年度の調査では、遺贈寄付の認知度は全体で53.3%、50~70代に限ると65.3%に達しました。復調の兆しは見えているものの、士業の回答者の大多数は浸透していないと感じています。
2.
実行への障壁
認知度が向上しても、実行に向けては依然として障壁が存在します。寄付金の使途が不明瞭であったり、遺贈寄付の方法がわからないなどの理由が挙げられています。
3.
寄付先団体の対応格差
遺贈寄付に対する対応が各団体で異なり、体制が整っていない場合もあります。
今後の施策の方向性
遺贈寄付の普及を図るには、以下の方向性が必要です。
- - 専門家の育成: 寄付先団体と寄付者を円滑に繋ぐ専門家を増やす必要があります。
- - 地域の相談役の育成: 寄付者に寄り添う身近な相談役を育成し、支援を提供します。
まとめ
『遺贈寄付白書』の発行を通じて、日本における遺贈寄付の認知度は上昇していますが、実行に移すための課題も残っています。これに対処するためには、専門家の育成と寄付者へのサポート体制の強化が不可欠です。将来的には、遺贈寄付を通じて社会的課題の解決に向けた更なる施策が期待されます。
白書の入手方法
『遺贈寄附白書』は、日本承継寄付協会のウェブサイトから無料でダウンロード可能です。
日本承継寄付協会の公式ページ
一般社団法人日本承継寄付協会は、地域や社会の未来のために寄付を通じた支援を行うプラットフォームです。これからも寄付の普及を促進し、「おもいやりのお金が循環する社会」を目指して活動を続けていきます。