カイロ市場の夏需要が急成長
昨年、カイロ市場が意外にも夏に需要を見せ、前年同期比で1.28倍の成長を遂げたことが、株式会社Nintの調査によって明らかになりました。毎年、カイロ市場は冬に需要が集中するものの、2023年は夏場でも数千万円規模の商機が存在したといいます。
調査のポイント
この調査から確認できた主なポイントは以下の通りです:
1.
夏場における市場規模: 2023年6月から8月の期間でも、合計約1.5億円の売上があった。
2.
春先の需要増加: 特に春に行楽シーズンが影響し、カイロへの需要が一時的に上昇。
3.
多様化するニーズ: カイロ商品の進化が顕著で、多様な用途に応じた商品が増えている。
カイロの市場動向
カイロには主に「使い捨てカイロ」と「電気・充電式カイロ」があります。調査によれば、2023年の使い捨てカイロ市場は前年対比で136%の成長を記録し、過去最高の売上となりました。これは、特に11月・12月・2月に強い販売実績を見せていることが影響しています。加えて、平均価格もこの5年で32%上昇しました。
電気・充電式カイロの成長
電気・充電式カイロも前年比117%と好調で、使い捨てカイロだけでなく電気・充電式カイロ市場のニーズも拡大しています。月別で見ると、1月・11月・12月での売上が特に高いことがわかりました。これらは年末セールなどで取り扱われることが多く、冬の需要が重なるタイミングのためです。
月ごとの需要の変動
使い捨てカイロ市場は、例年の勝負どころである冬に加え、夏にも一定の需要が確認されています。特に2023年の夏は1.5億円以上の売上を記録し、想定を超えた反響が見られました。商品レビューを調査したところ、職場のエアコンへの対応や行楽シーズンの寒暖差への準備としてカイロが購入されるケースが多いことが分かりました。
これに加え、使用者の防災意識の高まりや冷えに対する脅威への警戒心がさらなる需要を生んだと考えられています。
商品のバリエーションと進化
近年、使い捨てカイロは多様な使い方に応じたものが増えています。貼るタイプはもはや標準製品であり、足元用や肩用など、より細かくターゲットにした商品が登場しています。また、特に持続時間が14時間を越えるような高性能商品が人気を集めており、アウトドア用途でも重宝されています。
電気カイロについても、デザイン性が強化され、普通のカイロに比べて多機能を備えた製品が続々と登場。これらはモバイルバッテリーとしても使用でき、アウトドアや緊急時用の備えとして便利さを実現しています。
まとめ
こうしたカイロ市場の変化は、今後の気候変動やライフスタイルの変質に伴い、ますます複雑化し、多様化していくことが予想されます。加えて、消費者の健康意識の高まりも、今後の需要に大きな影響を与えるでしょう。カイロの市場は、冬に限った商品から、幅広い場面で利用される生活必需品へと進化を続けています。
Nintの調査結果は、多様なニーズに応えるカイロ商品の進化を示す重要な指標です。今後の市場動向を引き続き見守っていきたいところです。