京都の中小企業が実施する観光消費分散化の取り組みとは

京都の中小企業が進める観光消費分散化プラン

最近、京都の中小企業である京なか株式会社が、外国人観光客の消費を分散させるための新しいIoT実証サービス「KoI（こい）サービス」を開始しました。この取り組みは、観光客が特定の地域に集まりがちな現状に対抗し、観光資源の多様な利用を促進することを目指しています。

KoIサービスの特徴

ビーコン発信器による情報提供

「KoIサービス」は、ビーコン発信器を観光スポット、宿泊施設、店舗などに設置し、外国人観光客が近づくと自動的に特定の情報を配信します。この発信器により、観光目的やユーザーの属性（出身、性別、年代など）に応じたクーポンや広告、誘導情報が届く仕組みです。

異なる店舗や宿泊施設に設置された発信器を利用して、複数の店舗情報を連携させることも可能で、こうした方法により、利用料を還元する仕組みを整えていきます。これにより、観光客は多彩な情報を受け取ることができ、地域全体の活性化が期待されています。

アプリの特性と利用方法

アプリの広報は、観光案内所や宿泊施設でのチラシ配布を通じて行われます。さらに、京都市内にはWi-Fiがつながりにくいエリアもありますが、当アプリはそうした環境でも機能し、情報やクーポンを受け取れるのが特長です。これにより、外国人観光客があらゆる場所で有益な情報にアクセスすることが可能になります。この「KoI」は、「Kyoto（京都） Omotenashi（おもてなし） for Inbound（外国人観光客）」の頭文字を取った言葉で、京都の伝統的なもてなしの心を活かしています。

実証期間と実証内容

この実証サービスは、2017年11月1日から2018年3月31日までの期間、京都駅から丸太町付近や嵐山など公共交通沿線を中心としたエリアで実施されます。Androidアプリを通じて、観光案内所、宿泊施設及びアクセス可能な近隣店舗にビーコン発信器やチラシ、シールを設置し、無償でサービスを提供する予定です。実証期間中に収集したデータを元に、設置した店舗へのフィードバックも行い、今後のサービス改善に役立てます。