株式会社ファンペップが新たな臨床試験を開始
大阪府茨木市に本社を置く株式会社ファンペップは、皮膚潰瘍治療を目的とした機能性ペプチドSR-0379の追加第Ⅲ相臨床試験を開始しました。この試験は、2021年6月からの前回試験の成果を受けたもので、現在、最初の被験者への投与が行われたことが発表されています。
SR-0379の特性と目的
SR-0379は、20種類のアミノ酸から構成されるペプチドであり、主に皮膚潰瘍の治療に特化した成分です。皮膚のバリア機能が損なわれ、細菌が創面に付着する皮膚潰瘍には、細菌感染のコントロールが欠かせません。このペプチドは、血管新生と肉芽形成を促進し、創傷の癒合を助ける一方で、抗菌活性も兼ね備えているのが特徴です。
投与方法はスプレー剤として常温保存が可能で、患者にとって使用しやすい点も評価されています。ファンペップは、SR-0379の開発によって、特に高齢者が増加する現代において重要な褥瘡や糖尿病性潰瘍の早期回復を促進することで、患者の生活の質(QOL)向上に寄与したいと考えています。
第Ⅲ相試験の重要なポイント
今回の「02試験」は、プラセボ対照の二重盲検比較試験です。対象となるのは、皮膚潰瘍患者であり、潰瘍サイズが36平方センチメートル未満の142例を予定しています。参加者は、SR-0379またはプラセボを1日1回、28日間にわたって投与され、その有効性と安全性が評価されます。この試験は、前回の第Ⅲ相試験(01試験)の結果を踏まえ、さらなる成果を期待されています。
前回の試験では、外科的処置に至るまでの日数について、統計的に有意な改善が確認されており、SR-0379の安全性も高いことが示されています。
今後の展望
ファンペップは、現在進行中の試験の結果を注視しつつ、皮膚潰瘍治療の新たなスタンダードを確立したいと考えています。また、この研究は塩野義製薬株式会社との共同開発によって進められており、双方の技術力を結集することで効果的な治療法の確立が期待されています。
患者様にとっては、治療の選択肢が広がることが大いに期待されており、皮膚潰瘍に苦しむ多くの方々にとって、希望となる治療法となることでしょう。今後の進展に目が離せません。