バイオベース測定法
2025-02-26 14:13:37

東京都立産業技術研究センターが開発した新たなバイオベース測定法の全貌

バイオマス由来を判別する新しい道標



世界中でバイオマス製品の使用が高まっている中、その成分を正確に判別する技術の重要性がクローズアップされています。地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター(都産技研)は、特に注目される新しい測定法を開発しました。この技術は、従来の高コストな手法に替わるもので、多くの可能性を秘めています。

バイオマス製品とは


バイオマス製品は、植物などの再生可能な資源から作られる製品です。具体的には、包装材、衣料品、燃料などの多様な分野で利用されています。これらの製品が持つ環境への配慮が世界的に推進されている中、その成分の由来を把握することが求められています。

従来の測定法の課題


従来においては、加速器質量分析が用いられていました。しかし、このアプローチは装置が非常に高価であり、測定のコストも高いという問題点がありました。このため、広く使われるには限界があり、より民主的な選択肢が必要とされていました。

新たに開発された測定法


都産技研が開発した新しい測定法は、コストと操作の簡便さを両立させたものです。この方法では、一般的な試薬を利用した簡易な前処理と、普及している液体シンチレーションカウンターを用いています。これにより、低コストで多くの試料を迅速に測定することが可能です。

特徴と利点


1. 低コストでの実用性: 従来の方法と比較して、経済的な負担を大幅に減らすことができます。
2. 幅広い測定対象: 試料の燃焼と有機塩基を用いたCO2捕集技術により、様々な有機物を対象として測定可能です。
3. 簡便な操作性: 一般試薬を基にした前処理により、技術へのアクセスが容易になっています。

期待される利用用途


この測定法は、特に多くの試料を一度にスクリーニングする用途に適しています。また、バイオマスの利用促進に向けた研究開発や、関連製品の製造など、さまざまな産業に応用できる可能性があります。

さらなる研究と製品化への道


都産技研は、今回の開発における技術の製品化を目指して、共同研究・開発に興味を持つ企業を募集しています。バイオマス製品の普及が進む中、新しい測定法がどのように広がっていくのか、今後の展開が楽しみです。

この技術は、2025年3月15日発行の論文誌『RADIOISOTOPES』に掲載され、論文タイトルは「有機塩基を用いたCO2捕集による簡便なバイオベース炭素含有率測定法」です。私たちの環境未来を見据えた技術革新の一助となることを期待しています。興味のある方は是非都産技研にお問い合わせください。


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