東京大学発スタートアップ、尾道で地域企業のDX・AIを推進する新プロジェクト始動
東京大学松尾研から誕生したスタートアップ、株式会社SCIENと合同会社つなぐ和は、広島県尾道市の地域企業に向けてデジタルトランスフォーメーション(DX)とAIの推進を目的とした包括的パートナーシップを締結しました。この新たな取り組みは、地域における人手不足や生産性向上の課題を解決し、新しい価値創出を目指すものです。
パートナーシップの意義と取り組み
両者は、尾道市を中心に海事産業、卸売業、製造業、農水産業、観光業など、地元経済の発展に向けたデータ活用やAIの導入を推進します。地域志向の「つなぐ和」とAI技術の最前線を行くSCIENが協力し、企業が“まず動く”という実践的な変革を引き起こすことが期待されています。
進め方と期待される成果
このパートナーシップでは、以下のポイントが重視されています:
- - 初期段階からのデモ/UI提示: 実装前からの具体的なデモやユーザーインターフェースを通じて、関係者との合意形成を進めます。
- - 人材育成と地域に根付く知識: 地域の特性を踏まえた実行力を有している「つなぐ和」が、SCIENの先進技術を活用し、人材の育成に努めます。
- - データガバナンスの強化: 透明性のあるデータ管理を確立し、企業が信頼をもってデジタル施策を進められるよう共同で対策を講じます。
これにより、地域企業はデジタル化の波に乗り、競争力の強化や生産性の向上を図ることが可能になるでしょう。
地域経済へのインパクト
尾道市(人口約12万8500人)は、人口減少や人手不足という現実に直面しています。地域の競争力を強化し、住民生活の質を高めるためには、デジタル技術の活用が不可欠です。この新プロジェクトにより、AI技術の具体的な社会実装事例が生まれることが期待されています。
具体的な運営体制
両社は共同で推進委員会を立ち上げて運営し、戦略や優先順位、評価基準を策定します。また、各企業や地域の専門家が集まり、共同で問題解決に取り組む姿勢を強化します。これにより、地域のニーズに合ったデジタルソリューションが提供されることになるでしょう。
代表者のコメント
「人口減少が進む中、企業にとって人手不足は深刻な課題です。DXとAIの活用は、この問題を解決するツールとなります。地元に根ざした企業として、しっかりと地域のニーズに寄り添いながら進めていきたい」と、合同会社つなぐ和の亀田年保氏は述べています。
一方、SCIENの代表田端そら氏も、「現場の理解を基にした段階的なソリューション展開がカギです。ディスカッションを通じて共通の理解を築き、未来のDXモデルを形成していきたい」と意気込みを語ります。
尾道の未来に向けて
この新たなパートナーシップは、地方発のDX・AIモデルの実現に向けた重要な一歩です。地域の特性を生かし、持続可能な経済活性化につながることが期待されています。今後、尾道から全国への広がりが見込まれ、他地域への応用を通じて、日本全体のデジタル化を推進するモデルケースとなることでしょう。