政府によるGHS分類の公開
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、厚生労働省や経済産業省、環境省と連携し、新たに民間から提供された情報を基にした「政府によるGHS分類」を公開しました。この取り組みは化学品の安全性向上を目指しており、特にスチレンモノマーおよび炭酸ジフェニルの2種類の物質の危険有害性を評価しました。
GHSの概要
化学品に関する国際的な標準化であるGHS(The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)は、化学品の危険有害性を明確にし、ラベルや安全データシート(SDS)を通じて情報を伝達するためのシステムです。この体制は2002年に国連により策定され、2003年から実施されています。
日本でも、2006年度から政府がGHS分類を行っており、今までに3,300物質以上の分類結果を公開しています。これにより、事業者は法律を遵守し、ラベルやSDSを活用しながら安全に化学品を取り扱うことが可能となります。
民間からの情報提供
今回のプロジェクトでは、初めて民間からの試験情報が活用されました。具体的には、スチレンモノマー(CAS番号100-42-5)と炭酸ジフェニル(CAS番号102-09-0)が対象となり、これらの物質について新たな水生環境有害性の評価が行われました。得られた情報はSDS作成支援などに利用され、化学品の安全な取り扱いが期待されています。
今後の展望
このプロジェクトは2024年度以降も継続される予定で、更なる情報提供を受けてGHS分類の精度を向上させていく方針です。NITEは民間の情報提供窓口として機能し、官民の協力体制の強化を図ります。
まとめ
GHS分類の公表と民間からの情報の活用は、化学物質の管理や取り扱いにおいて新たなステップを築くものであり、今後の化学品産業の安全性向上に寄与することが期待されます。事業者はこの情報を元に、より安全な作業環境を整えることができるでしょう。また、消費者も自らの周囲にある化学物質の危険性に関してより正確な情報を手に入れることが可能になります。