OKIが新たな介護支援ソリューションを展開
沖電気工業株式会社(通称:OKI)が、最新の高齢者見守りソリューション「WatchOverSmart」に対し、公益社団法人かながわ福祉サービス振興会の「介護・生活支援ロボット認証」を取得したことが発表されました。この認証は、介護施設での安全で信頼性の高い使用が求められ、今後の介護市場への本格的な展開の始まりを示すものです。
高齢者人口の増加と介護市場のニーズ
近年、高齢化が進み、介護を必要とする高齢者の数は増加しています。2025年には65歳以上の高齢者が3,600万人を超えると予測されており、2040年にはその数がピークを迎える見込みです。これに伴い介護サービスの需要は高まっており、その内容もますます多様化しています。しかし、介護を担う人手が減少している今、現場の負担は大きくなっています。
介護施設では、トイレ誘導や食事の補助、転倒防止のための見守りなど、多くの業務が同時に求められ、特に夜間は職員にかかる負担が大きくなっています。そのため、現場の生産性を高め、効率的なオペレーションを実現することが急務とされています。
「WatchOverSmart」の特長と利点
「WatchOverSmart」は、リアルタイムで高齢者の状態を把握し、危険が察知された場合には適切な情報を介護職員に伝えることのできるシステムです。このソリューションにより、入居者が無断でベッドを離れたり、夜中に戻らなかったりする危険性を迅速に把握できます。これにより、介護される側も介護する側も双方の負担を軽減できるのです。
取得された「介護・生活支援ロボット認証」は、介護施設での利用に際して一定の基準とユーザーからの評価に基づき付与されるものです。実際に導入された介護施設からは、職員の負担軽減や高齢者の転倒防止に寄与したとの評価が寄せられています。
今後の展望
OKIは「WatchOverSmart」を介護市場に展開し、高齢者とその家族、そして介護職員の不安を解消するための取り組みを進めるとしています。介護施設内での支援にとどまらず、在宅高齢者に対するサポートにも注力していく意向です。
協力企業であるALSOK介護株式会社とダイキンファインテック株式会社も、このソリューションがもたらす介護の質の向上を歓迎しており、さらなる機能の充実に期待を寄せています。ALSOK介護では、認知症高齢者が住むグループホームにこのソリューションを導入し、夜間サポートを強化しています。また、ダイキンファインテックは、デジタル技術を駆使して介護現場に適した製品を開発してきました。
今後もOKIは、高齢者が安心して生活できる環境作りを目指した高齢者見守りソリューションの充実を図っていくことでしょう。
まとめ
高齢化社会の進展が続く中で、介護問題はますます深刻化しています。OKIの「WatchOverSmart」は、介護業界の新たな課題を解決するための重要な一手となるでしょう。将来的には、より多くの高齢者が安心して生活できる社会の実現に寄与することが期待されています。