ダイキンが実現した新しいオフィスの形
ダイキン工業株式会社が運営するコワーキングスペース『point 0 marunouchi(ポイントゼロ マルノウチ)』が、2024年10月に日本国内で初めてWELL Building Standard™の最高ランクであるプラチナ認証を取得しました。この認証は、オフィス空間が「人間の健康」を重視した設計や運用を行っていることを示すものです。具体的には、空気、水、食物、光、運動、温熱環境、音、材料、こころ、コミュニティの10カテゴリーに加え、イノベーションの評価基準によってランクが決まります。
WELL認証取得の背景
『point 0 marunouchi』は、2020年にWELL認証のゴールドランクを取得していましたが、今回の更新において「こころ」と「コミュニティ」カテゴリーで満点を獲得しました。また、ダイキンの3つの取り組みが加点評価され、これにより実質6件のイノベーションの取り組みが評価されたことは、日本国内において過去最多となりました。この結果は、さまざまな企業が協力しあうことで生まれた成果です。
具体的な取り組み内容
『point 0 marunouchi』は、各企業がウェルネスに貢献するための実証実験を行なっており、ダイキンの3件の取り組みが特に評価されています。以下にその詳細を紹介します。
1. 低酸素フィットネスルーム
ダイキンの『低酸素システム OXORA(オクソラ)』を利用し、オフィス内に酸素濃度を約15%に設定した低酸素フィットネスルームを設けています。ここでの運動は、筋力や持久力の向上、美容効果、さらには睡眠の質を高める効果が期待されています。今後は、この低酸素空間をデスクワークやWEB会議の場としても活用したいと考えています。
2. AIによる情緒的なコミュニケーション促進
オフィス内のモニターに、季節や地域の天気、日々のニュースを基にAIが生成した情緒的な風景画を表示する取り組みも行なっています。これによって、オフィス利用者同士のコミュニケーションを活性化し、地域への愛着を育むことを目指しています。また、この技術はダイキンと大阪大学の共同開発によるもので、将来的にはオフィス外での活用も検討しています。
3. 会議室の空気品質モニタリング
会議室内のウイルスやアレルゲンのリスクを可視化するため、ダイキンの『UV加湿ストリーマ空気清浄機』を設置しています。この空気清浄機は、捕集したウイルスやアレルゲンを大阪大学で分析し、会議室内の空気質を管理する取り組みです。必要に応じて、空気清浄機の配置を最適化し、安心して会議を行える環境を整えています。
未来への展望
ダイキンは、戦略経営計画「FUSION25」を掲げ、環境や社会課題の解決に貢献しながら持続的な成長を目指しています。この中で「空気価値の創造」というテーマを掲げ、さらなる検証と実験を進めています。
これらの取り組みを通じて、未来のオフィス空間における新たな価値を創出し、より良い働き方を提案していく『point 0 marunouchi』の今後に注目です。