人協調型ロボティクス住宅の一般公開が開始
福島県伊達市に拠点を置く株式会社リビングロボットが、名古屋市熱田区にあるサンヨーホームズの住宅展示場にて、リハビリテーションの観点を取り入れた革新的な「人協調型ロボティクス住宅」の一般公開をスタートしました。この住宅は、藤田医科大学リハビリテーション部門との共同開発によるもので、9月20日から一定の特定日に開放されています。これにより、高齢者や子育て世帯など、さまざまなライフステージにおける安心・安全な生活の実現を図ります。
高齢者や子どもを見守るシステム
「人協調型ロボティクス住宅」は、居住者の生活データや住環境データをセンサで収集し、その情報を基にロボットが会話を通じて利用者の気づきを促進する先進的なシステムを導入しています。運動や睡眠といった日常の活動を支援し、また温湿度やCO₂濃度、照度を監視することで快適な住環境を維持します。さらに、熱中症予防や侵入者検知、転倒時の通報機能により、居住者をさまざまな危険から守ります。
少子高齢化が進む現代社会において、この住宅は高齢者の自立支援を目指すだけでなく、介護人材の不足という課題にも対応します。多世代が共生する環境を整えることにより、家族間のコミュニケーションが豊かになり、より良い生活を提供できるのではないかと期待されています。
共同研究の成果
この取り組みは、藤田医科大学とサンヨーホームズが共に進めるもので、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の一環として進行しています。両者の専門知識を結集し、これまでの研究成果を生かした本住宅は、一般公開が初めての試みとなります。今後は、建設要件や設計に関するさらなる研究を行い、2年後の社会実装を目指します。
家族の安心を守る機能
この住宅は、居住者の声を遠隔地にいる家族とも共有できる機能を持っており、転倒や侵入者の危険が迫った場合には、ロボットのモニタを介して状況を把握することが可能です。藤田医科大学が開発した「転倒時にけがをしにくい床材」が導入されていることで、高齢者も安全に生活できる構造が実現しています。
カスタマイズ可能なロボット機能
さらに、ロボットの機能は簡単なプログラミングによって調整可能なため、ユーザーが自らのライフスタイルやニーズに応じたサポートを受けることができます。これにより、子どもから高齢者まで各世代に適した機能を搭載することができ、個々の生活の質を向上させることが期待されています。
3種類のロボットが日常生活を支援
この住宅には、以下の3種類のロボットが備わっています。
1.
見守りウィーゴ: 手のひらサイズ(130mm)の対話機能を持つロボット。
2.
メカトロメイトQ: ウィーゴと同等の機能に加え、自動走行と通話機能を備えたロボット(480mm)。
3.
移動・移乗支援ロボット: 車いす型で、狭い空間でも移動と乗り移りをサポート。
これらのロボットは、日常生活を豊かにするための重要なパートナーとして、住む人々の活動を支援します。
藤田医科大学の研究機関
藤田医科大学リハビリテーション部門は、2016年よりロボティクスに関する研究開発に取り組んできました。居住空間の再現を目的とした研究施設や、活動支援機器の研究センターを開設し、実際に高齢者や通院者に協力を得ながら、ロボットやシステムの実証と社会実装を進めてきました。この「人協調型ロボティクス住宅」はその集大成であり、今後も持続可能な住まいづくりの一助となることを目指しています。
会社概要
株式会社リビングロボットは、2018年4月に設立され、人とロボットが共に成長しながら暮らす社会を実現するために活動しています。プログラム教育や技術系イベントでの出展を通じて、その知識と技術を広め、社会貢献に努めています。公式サイトは
こちらからご覧いただけます。