ホテル業界の新たらしい採用スタイル「体験一体型モデル」

株式会社Nazuna、革新的な採用モデルを導入

私たちが注目するのは、京都でフレンドリーラグジュアリーな町屋旅館を手掛ける株式会社Nazunaによる新たな採用モデルです。代表取締役の渡邊龍一氏が率いるNazunaは、宿泊業界が抱える入社後の早期離職という課題に対して、「まず泊まる、それから面談」という新しい採用スタイルを導入しました。

高い離職率に立ち向かう

日本の宿泊業界は、厚生労働省の調査でも明らかなように、高い離職率に悩まされています。2023年度の「宿泊業、飲食サービス業」の離職率は26.6％で、全産業の平均15.4％を大きく上回る深刻な状況です。この背景には、長時間の労働や不規則な勤務体制、そして賃金水準が比較的低いことが挙げられます。

特に、求職者がラグジュアリー宿泊施設の実体験を自費で行うのは難しく、これが期待と現実のギャップを生む原因となっていました。こうした課題を踏まえ、Nazunaは新しい「体験一体型採用モデル」を実証することに決めました。

体験一体型採用モデルの概要

このモデルでは、株式会社Haginoが展開する「in the HOTEL」との連携により、求職者がNazunaの宿泊施設で無料宿泊を体験し、その際に現場スタッフと直接面談を行うことが可能です。これにより、仕事を“知る”前に“感じる”機会が提供され、求職者はリアルな職場環境を体感しながら応募を考えることができます。

この採用手法は、RJP（Realistic Job Preview）という考え方に基づいており、入社後のギャップを減少させることを目指しています。求職者が自分の目で職場を観察し、感じた上で応募を決めることができるため、納得感のある選択ができる点が大きな特徴です。

Nazunaの企業文化と受賞歴

Nazunaでは、働きがいのある職場づくりを最優先課題として取り組んでおり、その成果も評価されています。2025年には以下の賞を受賞しています。

- 第11回 GOOD ACTION AWARD 優秀賞
- ベストモチベーションカンパニーアワード2025中小企業部門第6位

これにより、従業員は評価基準が透明で、自分のキャリアパスを選択する自由が広がるなど、モチベーションが向上する効果も期待されています。

新採用モデルによる期待される効果

新たな採用モデルにより、求職者はNazunaの雰囲気や職場環境を事前に体験できるため、入社後のミスマッチを軽減することが期待されます。また、消極的な疑念を持つ求職者も、実際の体験を通じて応募意欲が高まるとのこと。

また、定着率も向上し、企業側はNazunaのブランドに共感する人材を見つけることができるようになってきます。実際、Nazunaは採用フローの中で最終面接前に現場体験を設けており、今回の取り組みはさらにそれを拡充した形です。

無料宿泊体験の詳細

Nazunaでは、就業に興味ある方を5組限定で無料宿泊に招待しています。詳しくは公式サイトをご覧ください。宿泊施設や応募期間も明記されています。日程は2025年5月8日から5月28日までとなっており、応募は簡単に行えます。

最後に

Nazunaの取り組みは、宿泊業界の人材不足を解消しつつ、業界全体の入職率向上に寄与することが期待されています。今後も、独自のブランド価値を体現できる仲間との出会いを求めて、この新しい採用モデルを通じてさらなる進化を遂げていくでしょう。Nazunaの理念は、ただの宿泊業ではなく、心温まる体験を提供することです。