微生物で鉱山廃水処理
2024-07-03 14:02:25

微生物の力!鉱山廃水を浄化する革新的な技術が誕生!

微生物の力!鉱山廃水を浄化する革新的な技術が誕生!



有害金属を含む鉱山廃水は、環境問題として深刻化しています。従来の中和剤を用いた処理は、大量の薬剤やエネルギーを必要とするため、環境負荷が大きいうえにコストも高額です。そこで注目されているのが、自然の浄化作用を活かした、環境負荷の低い処理技術です。

秋田県立大学と国立研究開発法人 産業技術総合研究所の共同研究グループは、微生物の力を利用した鉱山廃水処理システムを開発し、パイロットスケールでの現地試験を実施しました。その結果、驚くべき成果が得られました。

有機物添加なしでマンガンを98%以上除去!



このシステムは、微生物が廃水中のマンガンを酸化し、不溶化する仕組みを利用しています。従来の技術では、微生物の栄養となる有機物を添加する必要がありましたが、今回の研究では、有機物添加なしで、12時間の処理時間でマンガンを98%以上除去することに成功しました。これは、有機物に乏しい鉱山廃水処理において、画期的な成果と言えます。

細胞外電子を利用する新しいマンガン酸化の仕組み



研究チームは、遺伝子解析によって、この処理システム内で優勢な細菌群が、金属から電子を取り込み、エネルギー代謝や炭酸固定を行っていると推測しています。つまり、特定の細菌がマンガンを酸化すると同時に、他の細菌に必要な有機物を供給するという、微生物生態系における新しいしくみを発見したのです。

未来の鉱山廃水処理技術への期待



今回の研究成果は、環境負荷が低く、コスト効率の高い、新しい鉱山廃水処理技術の実現に向けて大きな前進と言えます。今後、この技術が実用化されれば、鉱山廃水による環境問題の解決に大きく貢献することが期待されます。

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。