電子工業用高純度薬品製造設備の契約締結
林純薬工業株式会社(大阪市中央区)は、三菱ケミカル株式会社(東京都千代田区)との間で、2025年6月30日に電子工業用高純度プロセス薬品、特にEL混酸の製造設備に関する売買契約を結びました。これにより、藤沢市にある三菱ケミカルの小名浜工場で運用中の設備が約2年間の間、三菱ケミカルが保有することになりますが、2027年には林純薬工業に譲渡される予定です。
新たな生産拠点の設立
林純薬工業は、2027年4月を目標に、この設備を活用して福島県に4つ目となる新工場を設立し、EL混酸やEL硝酸などの製造を開始する予定です。この工場は東日本における生産・物流の拠点として機能し、同社の事業拡大に寄与することを目指しています。
契約の概要
- - 製造設備: 電子工業用高純度プロセス薬品(主にEL混酸)の製造設備
- - 現運用場所: 福島県いわき市小名浜工場
EL混酸とは
EL混酸は半導体製造時に使用され、シリコンウエハーのエッチング工程で重要な役割を果たします。この液体は、フッ酸と硝酸を基に他の酸を混合され、エッチング対象物や速度、手法に応じて最適な化学薬品が選定されます。
林純薬工業の歴史
林純薬工業は1904年に化学薬品の販売をスタートし、1950年には試薬製造を始めました。また、1980年代からは電子工業用薬品や半導体向け機能性薬品の技術開発を行い、創業120年以上の歴史を持つ企業です。現在は分析用試薬、機能性薬品の製造・販売に加え、オンラインでの試薬購入も可能です。
電子材料事業の発展
同社は1985年から電子材料事業を展開しており、今後はさらに市場のニーズに応えるため、技術開発を強化し、安定したサプライチェーンを構築していく方針です。また、受託製造サービスを通じて幅広い顧客に対応しています。
この契約の締結は、林純薬工業にとって新たな成長の一歩であり、業界における競争力を高める重要な取り組みとなるでしょう。このように、電子材料事業は未来に向けた大きな一歩を踏み出しています。