自治体における移住・定住施策の現状と課題
一般社団法人自治体DX推進協議会は、新たに発表した調査レポートで、全国の自治体で進行中の移住・定住施策の現状を分析しました。特に最近のコロナ禍において、リモートワークの普及が多くの子育て世代に地方移住を促していることが注目されています。
この報告書は、全国100以上の自治体移住担当者へのヒアリングをもとに作成され、移住者層やそのニーズ、そしてそれに対してどのように施策が展開されているのかについて詳細にまとめられています。ここでは、報告書から得られた主なポイントを紹介します。
1. 移住者層の変化
近年、移住者の中心がリタイア世代から30代から40代の子育て世代へとシフトしています。この世代は、家族の生活環境を重視し移住を考える傾向が強くなってきています。
2. 多様化する移住形態
移住の形式も「都市型」「里山型」「ハイブリッド型」といった多様化が進んでおり、それぞれのニーズに応じて利用されるべき施策も異なることが示されています。都心から地方へ、またはその逆の移住形態が増えています。
3. 施策の転換
かつては支援金を用いた誘致の施策が主流でしたが、今、各自治体が力を入れているのは地域の魅力を引き出し、関係作りを重視する施策です。地域の特色を活かした魅力的な情報発信が欠かせません。
4. Uターン施策の強化
特に、地域に縁のある人のUターンを促進する施策に力を入れる自治体が増えています。地域とのつながりがある人材が定住することで、地域社会の活性化が期待されています。
5. 専門的な相談員の導入
移住経験者や専門知識を持つ相談員の導入が進んでおり、移住希望者に対する具体的な支援が実施されるほか、地域とのつながりを作るサポートも強化されています。
6. 関係人口の創出
移住前の接点を作り、移住後にはコミュニティの形成を支援する、いわゆる「関係人口」を創出するための施策が重要視されています。
今後の展望と課題
このレポートでは「発信力の強化」と「持続可能な施策の実行」が課題に挙げられています。地域の特性を最大限に活かし、それに応じた情報発信が独自の移住スタイルを際立たせるカギです。
事業者との連携を促進
自治体DX推進協議会は、事業者と連携しながら自治体の移住施策を支援する取り組みを推進しています。地域の魅力を発信し、関係人口を創出するための新しいアイデアやサービスを募集しています。
この調査レポートは、自治体の移住・定住施策の重要な資料となっており、詳細は協議会のウェブサイトで公開されています。興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。移住・定住施策に関する問い合わせも受け付けており、地域社会の発展に寄与する活動をぜひともご検討いただければと思います。