キャッシュレス事情
2019-09-18 11:02:08
日本におけるキャッシュレス化の現状と課題を探る調査結果
日本のキャッシュレス状況に関する調査結果
日本では近年、キャッシュレス決済が進む中、その普及率は諸外国と比較して依然として低い状況が続いています。特に、消費税増税に伴うポイント還元事業がスタートする中で、多くの消費者は電子マネーを躊躇している理由についての調査が行われました。今回は、その調査結果を詳しく見ていきます。
調査の背景
経済産業省が主導した「キャッシュレス・ポイント還元事業」は、2019年10月に実施され、税負担の軽減を図るとともに、消費者の便利さを向上させ、事業者の生産性向上を目的としています。しかし、消費者側のキャッシュレス決済の利用は思ったより進んでいないのが現状です。
調査結果の概要
調査によると、全国の20歳から69歳の男女1000人のうち、約4人に1人が過去1年間に電子マネーを利用していないという結果が出ました。具体的に電子マネーを利用しなかった276人の内訳を見てみると、利用者の中で最も多かった決済手段は現金(71%)であり、次にクレジットカード決済(29%)が続いています。
この結果から、現金を好む消費者が多いことが伺えます。ただし、電子マネーを利用しないことについて、多くの人が単に現金を選んでいるだけなのではないことも分かります。クレジットカードやデビットカードを使う傾向も見られるからです。つまり、現金以外の決済方法にも一定の親しみを感じていることがわかります。
電子マネー非利用の理由
最も多く挙げられた電子マネーを使わない理由は「セキュリティの不安・信用しない」というもので、これが全体の18%を占めました。この他にも、現金で支払いたい(15%)、面倒だから(15%)、使い方が分からない(11%)、限られた店舗でしか使えない(11%)という意見もあり、全体の7割に達する結果が示されました。
特に、セキュリティ面の不安は時代の流れとともに強まっています。スマートフォンの盗難や不正利用のリスクを背負う中で、電子マネー利用に対する懸念は多くの人々に影響を及ぼしている模様です。
ポイント還元事業に対する認識
増税に伴うポイント還元事業についての調査では、おおよそ8割の人がこの事業を知っている、または耳にしたことがあるとの回答を示しました。しかし、今後電子マネーを利用したいと考えている人は3割未満という結果が出ました。このギャップは、電子マネーに対する不安感が依然として根強いことを示しています。
課題と今後の展望
今後、電子マネーを普及させていく上で直面している課題は「セキュリティ対策」「利便性の向上」「利用可能店舗の拡大」の3点です。業界全体がこれらの課題に取り組むことができれば、電子マネー決済の利用者が増加し、日本でもキャッシュレス化が進む可能性を生み出すことができるでしょう。
電子マネーは、特に事前にチャージを行いすぐに決済ができるという点で、支出管理の面でも優れている特徴があります。利用者が電子マネーの魅力を感じ、安心して使える環境が整うには、セキュリティ面の改善が不可欠な課題として残ります。これからもキャッシュレス決済の進展を見守る必要があります。
会社情報
- 会社名
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株式会社GV
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- 東京都港区白金台5-11-3
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03-6303-2428