業務効率化を促進する生成AIの活用事例とは?
株式会社マーケットエンタープライズは、東京・中央区に本社を構え、業務効率化や生産性向上のために生成AIの活用を推進しています。2025年の社内調査では、生成AIの業務利用率が9割を超え、年間で75,000時間以上の業務時間削減が期待されています。この取り組みにより、多くの社員がAIスキルを向上させ、業務における時間の有効活用が実現されています。
生成AI活用推進の具体的な取り組み
マーケットエンタープライズでは、生成AIを利用するための様々な具体策を展開しています。以下にその主な取り組みを挙げます。
1. 社内プロジェクトの設立とナレッジの共有
社内から応募した46名のメンバーによる「生成AIプロジェクト」を立ち上げました。多様な業務を担うメンバーが集まり、生成AIの活用事例や有効なプロンプトの共有が行われたことで、AIの業務利用が広がりました。また、動画などのコンテンツを駆使し、知識の共有が加速しました。
2. 有料版AIツールの導入
全社員にGoogle Geminiの有料版ツールを導入し、日常業務でのAI利用を推奨しています。これにより、社員が積極的にAIを利用する文化が育まれています。
3. RAGを活用した業務マニュアル検索
社内の業務マニュアルをRAGにアップロードし、情報へのアクセスをより迅速に行えるようにしました。これにより、問い合わせの削減も実現し、バックオフィス業務の効率化が進んでいます。
4. インサイドセールス研修へのAIロープレ導入
インサイドセールス職の強化のため、対話型AIによるロールプレイのシステムを導入しました。これにより、研修管理者の負担が約30%軽減され、営業スキルの向上にも寄与しています。
5. 営業アシスタントのAI開発
東大松尾研究室発のスタートアップ企業と提携し、AIエージェントを利用した営業アシスタントの開発にも着手しています。優れたインサイドセールスのノウハウを解析し、営業スキルを向上させるための教育機能が整備されています。
6. 社外イベントでの活用事例共有
生成AI活用の推進により、2025年には「生成AIで業務を加速!」というテーマで社外イベントにスピーカーとして登壇し、Geminiの活用事例を発表しました。こうした外部との交流も、社内の取り組みの幅を広げています。
7. オフショア拠点でのAI活用
マーケットエンタープライズのオフショア拠点であるMEベトナムでも、GitHub CopilotなどのAIツールをシステム開発に活用し、日常業務でのAI利用を進めています。
効果と今後の展望
2025年4月の社内アンケートでは、生成AIを月数回以上利用している社員の割合は95.18%に達しており、高頻度での利用が確認されました。また、業務効率化の進展により、6,268時間の時間削減に成功しました。
この成果を元に、年間で75,216時間もの削減が見込まれます。2024年10月からの調査に対して、想定削減時間が約2.4倍になり、さらに新たに捻出できた時間は44,364時間と、効果が顕著に表れています。
生成AIの活用により、社員はより創造的で付加価値の高い業務に専念できる環境が整っています。今後もマーケットエンタープライズでは、さらなる生成AIの活用範囲の拡大に取り組み、業務の効率化と生産性向上の実現に向けて前進していくことを目指しています。
企業情報
マーケットエンタープライズは、ネット型リユース事業、メディア事業、モバイル通信事業を主要な事業として展開しています。2006年の設立以来、「持続可能な社会を実現する最適化商社」というビジョンのもとで成長を続けており、2015年に東証マザーズに上場し、2022年にはプライム市場に移行しました。現在、940万人以上の利用者を抱え、さらなる事業拡大を続けています。