新たな科学者の卵を育成する「Girls Meet STEM in TOKYO」の全貌
2025年6月11日、東京都と公益財団法人山田進太郎D&I財団による「Girls Meet STEM in TOKYO」の記者発表会が行われました。このイベントは、東京都の外郭団体である一般財団法人GovTech東京のオフィスで開催され、理系分野への興味を持つ中高生女子に向けた体験プログラムを紹介しました。
「Girls Meet STEM in TOKYO」は、全国で展開される中高生女子対象のSTEM領域体験プログラムの一環で、2025年度には首都圏の50社以上での実施が計画されています。記者発表会には、女子高生23名が参加し、実際の企業体験ツアーも行われました。
出発を告げる挨拶
会議の冒頭で、東京都副知事の松本明子氏が挨拶を行いました。彼女は、女性の理数系学力は優秀であるにもかかわらず、STEM分野での女性の活躍が不足している現状を訴えました。この状況に対して、固定観念を打破し、女子中高生の進路選択を広げる取り組みの重要性を強調しました。特に、東京都では2022年度から女子中高生向けのオフィスツアーを開始し、今後もそのプログラムを拡充する方針が示されました。
次に、当財団の代表理事である山田進太郎氏が登壇し、事業の目的を語りました。「Girls Meet STEM in TOKYO」が、中高生女子が理系の仕事に興味を持ち、自己の適性を模索する機会を提供することが期待されています。さらに、このモデルを全国に広めることを目指しています。
プログラムの成果と今後の展望
昨年度のデータによると、参加した中高生女子1,864名のうち、進学意欲が13.5ポイント向上したことが報告されました。このプログラムは、進路選択に迷う学生が参加することが多く、実体験を通じて自己の可能性を広げる機会となっています。参加者の約半数は、進路決定前の段階でこのプログラムに参加しており、将来の選択肢を増やす助けとなっています。アンケート結果でも、多くの参加者が理系の選択を前向きに捉え、ハッピーなフィードバックを数多く得ました。
小池都知事の訪問
記者発表会の合間には、GovTech東京での企業体験ツアーも行われ、品川女子学院高等部の生徒たちが参加しました。このツアーには、小池百合子東京都知事も登場し、学生たちとの対話の時間が設けられました。高校生から「女性リーダーが少ない社会についてどう考えるか」という質問が飛び出し、小池知事はその質問に真摯に答え、女性の社会進出の重要性を強調しました。
参加した高校生の声
プログラムに参加した生徒たちからは、ポジティブな感想が続出しました。「職業のリアルな話を聞けて、自分の将来に定義ができた」という声や、「都による女性理系人材の育成の取り組みが感動を呼んだ」という感想が寄せられ、彼女たちの未来への期待が膨らんでいます。
更なる展開と可能性
「Girls Meet STEM in TOKYO」は、2025年度に112社・32大学・8高専と連携し、東京都を含む5つの自治体や学校と共同でプログラムを展開する計画です。このプログラムは、女子中高生がSTEM領域に興味を持ち、働く環境をより良くするための重要なステップとなります。さらに、「Girls Meet STEM」プログラム公式ウェブサイトを通じて、全国の中高生女子が応募可能です。
「Girls Meet STEM」と「Girls Meet STEM in TOKYO」を通じて、多くの女子学生が新たな可能性に出会い、理系の分野で未来を目指すことが期待されます。今後の展開にもぜひ注目していきたいものです。