2014年4月新車販売動向
2014-05-19 15:00:01
世界の新車販売台数、2014年4月は年率換算で8660万台!地域別市場トレンド分析
2014年4月世界新車販売台数:地域別市場トレンド分析
2014年4月、世界の新車販売台数は年率換算で8660万台という数字を記録しました。地域別に見てみると、明暗が分かれる結果となっています。それぞれの地域における市場の動向、その背景にある要因を詳しく見ていきましょう。
北米市場:堅調な回復を続ける米国
米国では、4月のライトビークル販売が好調で、季節調整済み年率換算の販売ペースは2007年半ば以来の高水準に達しました。前年同月比8%増という伸びは、ライトトラック販売の活況に支えられています。ライトトラックは前年同月比で約13%増と大幅な増加を見せた一方、乗用車は3%増にとどまりました。LMC Automotiveの年間販売予測をやや上回る結果となったことから、今後数ヶ月は販売ペースの若干の鈍化が予想されます。一方、カナダでも好調な販売が続き、過去最高販売への期待が高まっています。
欧州市場:西欧の回復、東欧の不安
西欧市場は4月も前年同月比4.9%増と8ヶ月連続の増加を記録。季節調整済み年率換算の販売台数は、2012年初頭のレベルまで回復しました。経済状況の緩やかな改善が、2014年の安定的な回復を示唆しています。しかし、ウクライナの情勢不安は東欧地域の販売減少につながる可能性があり、楽観はできません。ロシアの4月販売は、速報によると低調な結果となっており、2014年を通して販売減少が続く可能性を示唆しています。
中国市場:好調を維持するも、先行きに不透明感
中国では、4月の年率換算販売台数は2320万台と好調を維持しました。3月よりも若干増加しましたが、大気汚染抑制のための自動車購入規制発表が、短期的には販売を押し上げる可能性があります。しかし、衝動買いによる需要の先食い効果や経済の減速により、中期的な見通しは不透明です。第1四半期のGDP成長率が予想を下回ったこと、中国政府による景気刺激策の発動なども、市場の不確実性を高める要因となっています。
アジア市場(中国以外):消費増税の影響と回復の兆し
日本では、消費税増税の影響で4月の販売台数は減少しましたが、軽自動車の販売に支えられ、季節調整済み年率換算では510万台と予想を大きく上回る結果となりました。自動車取得税の減税やディーラーの販売促進策が、増税後の落ち込みを緩和した要因です。韓国では、フェリー事故による消費者心理の悪化が懸念されますが、新型車の投入により4月の販売台数は170万台に達しました。しかし、輸出の低迷や失業率の上昇は、好調の持続性に疑問符を投げかけています。
南米市場:ブラジルの回復、アルゼンチンの低迷
ブラジルでは、3月のカーニバル休暇による減少から4月は力強い回復を見せました。しかし、高金利や増加する家計債務、深刻な干ばつ、公共料金値上げ計画によるインフレ上昇、労働市場の弱体化などが、販売の勢いを弱める要因となっています。アルゼンチンでは、通貨ペソと外貨準備の安定化が見られるものの、金融危機のリスクは依然として高く、インフレと実質賃金の減少により、4月は2ヶ月連続で前年同月比35%減と低迷が続いています。
まとめ
2014年4月の世界新車販売は、地域によって明暗が分かれる結果となりました。北米や中国、一部のアジア地域では堅調な推移が見られる一方、南米や東欧の一部では厳しい状況が続いています。今後、各国の経済状況や政策、地政学的リスクなどが、市場の動向に大きな影響を与えることが予想されます。
会社情報
- 会社名
-
マークラインズ株式会社
- 住所
- 東京都千代田区永田町2-11-1山王パークタワー14F
- 電話番号
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03-4241-3901