KOGEI Nextの挑戦
2022-03-09 18:19:31
工芸とデジタルが融合する新たなアートのかたちを探る
工芸とデジタルを融合させた新たなアートの姿
2022年3月10日より開催される「アートフェア東京2022」に出展する「KOGEI Next」は、京都での伝統工芸を現代的な方法で表現し、デジタル技術を駆使した新たなアート作品の展示を目指しています。これは、古美術鐘ヶ江と株式会社クロステック・マネジメントによる共同プロジェクトで、工芸家たちがこれまでの枠を超えた表現を追求していることが特徴です。
KOGEI Nextの理念と目的
KOGEI Nextは、日本の工芸作家が持つ超絶技巧を活かしながら、デジタル空間を取り入れたアートを創出していく理念に基づいています。これは、伝統工芸が直面する現代の課題に対し、新たな価値と可能性を見出す試みです。既存の工芸の枠にとらわれず、テクノロジーとアートの境界を越えて新しい表現を模索しています。
代表的な作品の紹介
出展作品には、鉄鍛金家の本郷真也による《Visible01》、ガラス作家のつのだゆきによる《ネッタイシマカ》、さらにスイス出身のアーティストDavid Bielanderの《Digital Watch》が含まれています。これらはすべてAR(拡張現実)技術を活用し、観覧者は自分のデバイスを通じて新しい体験ができます。
《Visible01》本郷 真也
本郷真也の《Visible01》は、鉄と銀から作られた見事なカラスの彫刻です。この作品は、2021年11月に六本木ヒルズでのKOGEI Next展で発表され、注目を集めました。アートフェア東京では、来場者がiPadを使って彫刻内部の詳細をデジタルで見ることができる仕組みが用意されています。
《ネッタイシマカ》つのだゆき
つのだゆきの《ネッタイシマカ》は、精巧なガラス細工にAR技術を組み合わせています。専用アプリをダウンロードしたデバイスでこの作品をカメラで撮影すると、あなたの腕に蚊が飛んでくるという仕掛けです。見た目はコメディーのようですが、熱帯病を媒介する蚊のメッセージには環境問題への警鐘が含まれています。
《Digital Watch》David Bielander
David Bielanderの《Digital Watch》は、都市鉱山由来の18金を使用した特別な作品です。この金は、過去に使用された電子機器を再資源化したものであり、その社会的役割と美をテーマにしています。時計の針は動きませんが、この金にはデジタル世界を支える力があります。
KOGEI Nextが目指す未来
工芸の次の姿を実現するために、KOGEI Nextは美術商や企業、教育機関と連携しています。京都芸術大学や京都女子大学を関係機関として、若い世代のクリエイターを育てる環境を整え、未来につながる新たな工芸の姿を創造していくでしょう。このような活動は、伝統工芸が持つ力強さと、デジタル技術の可能性を融合させるものです。
KOGEI Nextは、これからも世界の美術界に新しい風を吹かせていくことでしょう。アートフェア東京2022でのプロジェクトの成功を期待したいですね。
会社情報
- 会社名
-
株式会社クロステック・マネジメント
- 住所
- 京都府京都市左京区北白川瓜生山町2-116
- 電話番号
-
075-791-9122