高齢者と若い世代をつなぐ訪問美容サービス「まごのはさみ」
2021年度のグッドデザイン賞を受賞した「まごのはさみ」は、訪問美容の新しい形を提案しています。このサービスは、高齢者が若い世代の美容サービスを体験できる機会を提供し、両者の接点を生み出すことを目的としています。提供するのは、マーマレーション株式会社(本社:東京都世田谷区)であり、代表取締役の平部利雄氏が率いるこの企業は、アパレル業界における専門的な知識と技術を活かして、社会的な課題にも取り組んでいます。
訪問美容の再定義
「まごのはさみ」は、訪問美容を単なる身体的支援の枠を超え、心のニーズに応えるコミュニケーションの場として位置づけています。高齢者の方々が美容を通じて自分自身を美しく感じることができ、他者とのつながりを深める手助けをしているのです。これは、訪問美容が必要とされる社会背景—少子高齢化や核家族化—の中で特に重要なサービスと言えるでしょう。
特に注目すべきは、訪問サービスを支持する専門の美容師が介護の知識を持つことで、サロンで受けるクオリティと同等のサービスが自宅や介護施設でも受けられる点です。これによって、高齢者自身の美しさを引き出すだけでなく、生活の質も向上させる効果が期待されます。
高齢者と若い世代をつなぐ
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「まごのはさみ」は、若いスタイリストと高齢者の間に新しいコミュニケーションを生み出すことを目的としています。髪を整えるという行為は、ただの美容行為ではなく、対話の場であり、心と心が通じ合う瞬間でもあります。若手スタイリストがおじいちゃんおばあちゃんの日常に少しでも彩りを加え、互いに刺激を与え合うことができるのです。この独自のサービスは、まさに双方のニーズを満たす新たな価値を生み出しています。
サービスのデザインポイント
「まごのはさみ」にはいくつかのデザインコンセプトがあります。第一に、モビリティの確保です。小さな作業スペースであれば数畳で済み、どこにでも出張可能な柔軟性があります。次に、コミュニケーションの促進です。おしゃれを楽しむことが、人と繋がりたいという根本的な欲求を満たすという点に注目しています。最後に提供するサービスのクオリティにこだわっており、専門知識を持った美容師が訪問しますので、サロンレベルの仕上がりが期待できます。
社会課題に応える新しい試み
訪問美容の必要性は、近年の少子高齢化にともないますます増しています。従来のボランティアによる訪問美容は、担い手不足や高齢者の増加により持続可能とは言えなくなっています。そのため、「まごのはさみ」は地域の美容師やサロンと連携し、新たな訪問美容の形を創出しようとしています。これにより、高齢者に高品質な美容サービスを提供し、地域社会全体の持続可能な経営を支援することにつながります。
詳しい情報は公式ホームページ
まごのはさみ や
マーマレーション株式会社のウェブサイト でご確認ください。