求職者は企業の実態にどれだけ興味があるのか?調査結果を分析
近年、企業の実態や従業員の声に関心を高める求職者が増えています。株式会社アイデムが実施した調査によると、求職者の約41.6%が求人応募前に企業のホームページを訪れ、情報を確認していることがわかりました。さらに、正社員を希望する求職者の46.7%が「賃金の納得感」を求めるなど、仕事探しにおいて企業情報への期待が高まっていることが明らかになっています。
調査の背景と目的
この調査は、2024年12月に実施され、総合求人サイト『イーアイデム』を通じて求人に応募した会員を対象としています。求職者がどのような情報をもとに企業選びを行っているのか、またどのような点に不安や期待を持っているのかを明らかにすることを目的としています。
応募前の情報収集
調査結果によれば、求職者の41.6%が企業の公式ホームページを検索していることがわかりました。また、27.4%が複数の求人サイトを利用し同じ企業の求人をチェックし、22.1%が企業の口コミを調べると回答しています。全体の80%近くが何らかの情報収集を行っており、「特に調べずに応募する」という層はわずか22.1%に留まっています。
特に正社員希望者は、企業のホームページを確認する割合が高く、50.7%に達した一方で、パートやアルバイト希望者の中では「特に調べずに応募する」人も多く存在しました。このデータは、雇用形態による情報収集のスタンスの違いを示唆しています。
従業員に聞いてみたい“本音”
求職者が従業員に聞きたい内容として最も多かったのは「1日の流れ・スケジュール例」で40.9%、次いで「募集職種の詳細」が40.3%、そして「社内の活気や雰囲気」が38.9%という結果になりました。特に正社員希望者においては賃金の納得感が46.7%と最も重要視されていることが印象的です。
雇用形態や性別による情報ニーズの違いも見られ、パート希望者は社内の雰囲気を重視する傾向が強く、正社員希望者は賃金の透明性や将来の目標に関心を持つことが示されました。
求人応募の理由
調査結果からは、パートやアルバイト希望者の52.5%が「自宅から通いやすいから」と理由を挙げ、続いて「希望の勤務時間数・日数が選べるから」が43.2%、最後に「希望の勤務時間帯だから」が37.4%という結果が得られました。これは、特に勤務地や勤務時間の柔軟性が求職者にとって重要な要素であることを示しています。
一方、正社員希望者の応募理由としては、「自宅から通いやすいから」が34.7%、次いで「希望する仕事内容が合っているから」が33.3%、そして「能力や経験を活かせるから」が29.3%と、仕事内容の合致や能力の活かし方に注目される傾向がありました。
調査の考察と展望
今回の調査からは、求職者が企業情報に対して持つ期待や不安が見えてきました。特に、従業員の実際の声を聞くことで、企業への理解が深まり、「リアリティショック」を軽減することが可能になるかもしれません。企業側も、求職者に対してオープンな情報提供が求められる時代に入っています。
今後の求人活動においては、求職者が求める情報をしっかりと把握し、それに応じたコミュニケーションを図ることが重要です。調査結果を参考にして、企業と求職者のより良いマッチングが進むことを期待したいです。