大月市消防本部が「ココヘリ」と連携し安全登山を強化

大月市消防本部と「ココヘリ」が連携協定を締結

山梨県の大月市消防本部は、福岡に本社を置くAUTHENTIC JAPAN株式会社と「山岳遭難等捜索活動に関する連携協定」を締結しました。この協定は2025年5月26日に正式に成立し、特に近年の登山ブームを受けて増加する山岳遭難事故に対応するための新たな試みです。

近年、大月市内でも高川山や岩殿山などの名峰での遭難事故が増えており、2023年には過去最多の34件の山岳遭難による出動がありました。このような背景から、AUTHENTIC JAPANは大月市消防本部と連携し、安全な登山の啓発活動を進めています。これまでの取り組みに加え、今回の協定により捜索・救助活動がさらに迅速化されることが期待されています。

迅速な情報交換を実現

今回の協定により、捜索活動における消防とココヘリ間でのリアルタイムの情報交換が可能になります。この取り組みは、事故が発生した際の捜索時間を短縮し、登山者の安全を守ることを目的としています。特に本格的な登山シーズンを控え、協定の締結は意味深いものとなっています。

大月市消防本部警防課の小林徳幸課長は、民間企業との連携が広げる活動の幅に期待を寄せており、遭難時の位置情報の把握や初動対応の迅速化を見込んでいます。この協定は官民の協働による救助体制の強化を図るものです。

登山者の安全を守る「ココヘリ」

「ココヘリ」は、日本国内で唯一の民間へリ捜索サービスであり、山岳遭難者を迅速に救出することが可能です。当サービスは、発信機を会員に貸与し、遭難時にはヘリやドローンを利用して捜索を行います。この方法により、目視での捜索に比べて短時間で遭難者の位置を特定することができます。

ココヘリに加入することで、発信機を身に着けた登山者は素早く救助される可能性が大幅に向上します。近年では17万人を超える会員を誇るこのサービスは、登山家たちからも高く評価されています。

今後の展開に期待

今後、AUTHENTIC JAPANはココヘリを通じた自治体との協力体制を強化し、さらなる登山者の安全向上に努めていく方針です。この連携により、消防本部と民間企業が協力し合うことで、より実効性の高い救助体制の構築が期待されます。

大月市内での豊かな自然を楽しむ登山者が、より安全にアウトドアを楽しむことができる環境を整えていくことが、この協定の最も重要な成果と言えるでしょう。これからは、山を愛するすべての人々が安全に楽しめるよう、多くの人にこの取り組みを知ってもらえればと思います。