三井不動産が半導体産業創造を目指し一般社団法人「RISE-A」を設立

半導体産業の新たな共創の舞台、RISE-Aとは

近年、半導体はデジタル社会を支える重要な技術とされ、各国での生産拠点の整備が進んでいます。特に日本では、国内産業の競争力向上が喫緊の課題となっており、これを解決するための新たな取り組みが進められています。ここで登場するのが、三井不動産が設立した一般社団法人「RISE-A（ライズ・エー）」です。

RISE-Aの設立背景

RISE-Aは、半導体産業の設計から製造、さらにはユーザーやサポーターまで、広範囲にわたるエコシステムを構築することを目的としています。三井不動産は、2016年のライフサイエンス分野、2022年の宇宙産業に続き、この半導体分野においても「産業デベロッパー」としての役割を果たし、日本の競争力を高めようとしています。特に半導体は、国家戦略の中核に位置づけられており、その支援は更に重要性を増しています。

RISE-Aは、会員を2025年7月に募集開始し、新たに日本橋に共創の拠点を設ける計画です。この拠点では、会員向けのイベントやネットワーキングの機会が提供される予定で、業界の情報交換や新たなビジネスチャンスの創出が期待されています。

半導体産業のエコシステム

RISE-Aでは、単に企業同士の接点を提供するだけでなく、ベルギーの「imec」や台湾の「ITRI」など、世界的に知られる研究機関との連携も図ります。これにより、最新の技術や知見を取り入れ、イノベーションを加速するとともに、多様なプレイヤーとの共創を促す仕組みが整います。

三井不動産が得意とする街づくりや産業支援のノウハウを生かし、半導体産業の現場で必要とされる「場」と「機会」を提供することで、リアルなイノベーションを生み出していくことが目指されています。

産業競争力の強化

半導体の重要性が高まる中、日本は1990年代以降、国際シェアが落ち込んでいます。今後、RISE-Aを通して、サプライヤーだけでなくユーザー企業や学術機関などが連携し、共創の場を創出することで、革新的なビジネスや技術開発を推進していく必要があります。

この新たな取り組みが実現すれば、日本の半導体産業はかつての栄光を取り戻す可能性が十分にあると考えられます。特に、RISE-Aの活動を通じて得られた知見は、様々な産業へと波及し、新たなビジネスモデルの構築に寄与することでしょう。