新たなCO2還元技術が実証試験に突入
2025年2月19日、三菱電機株式会社は国立大学法人東京科学大学と共同で、ケミカルループ方式による二酸化炭素(CO2)還元技術の実証試験を開始します。本試験は、2050年を目指すカーボンニュートラル実現に向けて大きな一歩となることが期待されています。
背景と目的
地球温暖化やエネルギー問題が深刻化する中で、政府はカーボンニュートラルを目指す方針を打ち出しています。特に二酸化炭素の回収と資源化は、未来のエネルギー政策において欠かせない課題です。本技術は、CO2を還元して活用可能な一酸化炭素(CO)に変換することを目指します。
ケミカルループ方式とは?
ケミカルループ方式は、酸素キャリア粒子を使用してCO2を還元し、その後、生成されたCOを利用するプロセスです。このプロセスは2つの化学反応で構成されます。まず、CO2が酸素キャリア粒子と反応し、COが生成されます。次に、その反応によって受け取った酸素が水素と反応し、水が生成されます。これにより、COの生成が効率化され、エネルギーの浪費を防ぎます。
実証試験の詳細
今回の実証試験は、三菱電機の先端技術総合研究所および東京科学大学の協力により行われます。試験は、2025年から2027年までを予定しており、ラボスケールでのCO生成を実証します。具体的な役割としては、三菱電機がCO2還元システムの設計と制御技術の向上を担当し、東京科学大学が原理の検証や酸素キャリア粒子の合成技術を開発します。
目指す先へ
本試験の成果に基づき、CCU(Carbon dioxide Capture and Utilization)システムの構築が進められ、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みが加速されていく予定です。また、他社との連携や応用研究を通じて、技術の実用化を目指し、地球環境に寄与するソリューションを提供することを目指します。
会社としてのビジョン
三菱電機は、トレード・オンの精神のもと、持続可能な社会の実現を目指します。100年を超える歴史を持つ企業として、デジタル化を進めながら、新たな価値創出に取り組んでいます。サステナビリティの観点からも、環境への配慮は事業戦略の中心に位置づけられています。
いま、この革新的な技術が評価され、多くの注目を集める中、専門家たちはその進展に期待を寄せています。カーボンニュートラルとは何か、本技術がどのようにそれを支えるのか、今後の展開が待たれます。