JAXAベンチャー「天地人」がフランスで水道管理の革新を実現
宇宙機関JAXAに認められた株式会社天地人(東京都中央区)が、フランスのAqualter社とパートナーシップを結んだことが発表されました。この提携の主な目的は、衛星データとAI技術を活用した漏水評価・管理プラットフォーム「KnoWaterleak(宇宙水道局)」の導入です。
2026年4月より、天地人はAqualter社との間でソフトウェアライセンス契約を結び、シャルトル都市圏における長期的な水道運営プロジェクトに「KnoWaterleak」を導入します。これは、漏水リスクを検知し、水道インフラの最適化を進める画期的な取り組みです。
予測精度の実証実験
天地人は2025年初頭、Aqualter社と共にシャルトル都市圏で実証実験(PoC)を実施し、「KnoWaterleak」の漏水予測精度を検証しました。過去のデータを分析し、漏水リスクが高いとされるエリアの内、特に高リスクと判定されたエリア上位12.6%に、2024年に実際に発生した漏水のうち45.5%が含まれていることを確認しました。この結果は、事前に設定された成功基準を満たし、予測モデルの信頼性を裏付けるものとなりました。
この実績を踏まえ、正式なライセンス契約が締結され、Aqualter社はフランス初の「KnoWaterleak」導入事業者として、同地域での水道インフラ管理の高度化に向けた取り組みを開始します。
Aqualter社「Walter」との統合
シャルトル都市圏プロジェクトでは、「KnoWaterleak」がAqualter社の管網監視プラットフォーム「Walter」と統合されます。「Walter」は現場の稼働状況を監視するプラットフォームであり、「KnoWaterleak」の衛星データとAIによる予測機能を追加することで、現場と衛星のデータの相互補完が可能になります。これにより、漏水リスクの特定から現場対応までを一貫して支える仕組みが整います。
この統合により、水資源の保全に寄与しながら、インフラの延命化にも大きく貢献していくことが期待されます。
今後の展望
天地人は、同年4月にフランス・トゥールーズに拠点を置く「Aerospace Valley」のアクセラレーター「DISTRICT」への参加を発表しました。このパートナーシップは、欧州での具体的な事業展開の第一歩として位置付けられており、Aqualter社が運営する他のプロジェクトへの展開も視野に入れています。加えて、フランス国内での新たな顧客層をターゲットにした共同プロモーションの推進も計画されています。
コメント
Aqualter GroupのCIO & COO、ジャン パトリック・ル・ヴァン氏は「我々のプラットフォーム『Walter』に『KnoWaterleak』の機能が加わることは、大きなデジタル変革の一歩です。AIと衛星データを駆使した漏水予測により、これまで以上に正確な現場作業の最適化が可能になります」とコメント。
また、株式会社天地人のパートナーシップマネージャー、淺羽慶太郎氏は「フランスでの初導入は嬉しいニュースです。シャルトルは歴史ある都市であり、複雑な環境での運用を通じて国際展開への道を切り拓きます」とコメントし、Aqualter社との協力を通じて、水道インフラの管理を進化させていく意気込みを示しています。
Aqualter社および「Walter」について
Aqualter社は、フランス・シャルトルに本社を置く水道業界の有力な企業です。50年以上の実績を持ち、飲料水の製造・供給から下水処理まで幅広い技術力を誇ります。「Walter」は、リアルタイムで水道管網のパフォーマンスを可視化するウェブベースのプラットフォームです。
「KnoWaterleak」について
「KnoWaterleak」は、衛星データとAIを用いた漏水評価・管理プラットフォームであり、漏水リスクの高いエリアの可視化を行い、水道事業者の業務を支援します。これにより、水道事業者は漏水調査にかかる時間とコストを削減し、効率的な運営が可能となります。