対馬市が発信する新たな取り組み「Ocean Good Art」
日本の美しい海岸線を守るため、対馬市が新たな社会課題解決モデルとして始めた「Ocean Good Art」プロジェクトが注目を集めています。このプロジェクトは、深刻な漂着ごみ問題への対策として、アートの力を借りて地域の環境を改善することを目指しています。2024年10月21日から2025年1月19日までの期間、対馬市はガバメントクラウドファンディングを通じてプロジェクトの資金調達を実施しており、寄付金の集め方にも新しい風を吹き込んでいます。
漂着ごみ問題の現状
対馬市は日本有数の美しい自然を有していますが、その一方で漂着ごみに苦しんでいます。漂着ごみの量は基礎自治体の中で日本一とも称され、年間で推定3万~4万立方メートルものごみが海岸に押し寄せています。これを一般家庭の風呂で換算すると、なんと約16万杯分! 近年の漂着ごみ問題の深刻さから、毎年約2.8億円の予算をかけて回収作業が行われていますが、実際の回収量は全体のほんの1/4程度にとどまっているのが現状です。
漂着ごみが海岸に放置されると、再び海へ流れ出すリスクがあり、さらにはマイクロプラスチック化が進行。これにより周辺生態系への悪影響や人間の健康にまで影響が及ぶことが懸念されています。この状況を放置することはできません。
「Ocean Good Art」プロジェクトの取り組み
このプロジェクトは、漂着ごみの全量回収を目指し、アートの展示や販売を通じて資金を調達する新たな試みです。アーティストやギャラリー、企業との連携により、対馬の漂着物を素材としたアート作品が制作されます。これらのアート作品は、対馬市内外で展示され、海洋環境問題の啓発活動としても機能します。
また、アート作品が生み出す収益は、対馬市の海岸漂着物対策に使われる予定です。さらに、アート作品にはNFT(ノンファンジブルトークン)を発行し、将来的には、NFT保有者が参加するコミュニティを形成することも視野に入れています。これは、海洋環境を守る活動に人々を巻き込む新たな形となるでしょう。
クラウドファンディングの概要
「Ocean Good Art」に参加したい方は、ガバメントクラウドファンディングを通じての寄付が可能です。寄付金は、直接的にOGAプロジェクトまたは対馬市の漂着物対策に充てられます。また、寄付を行った方は通常のふるさと納税と同様の税控除の対象となりますので、経済的負担を軽減しつつ社会貢献ができるのも魅力です。
プロジェクトの詳細は、以下のサイトで確認できます。興味のある方はぜひチェックしてください。
この新たな取り組みが成功することによって、対馬市が漂着ごみ問題に立ち向かい、海洋環境を保護する一助になることを期待しています。皆さんもぜひ、このプロジェクトに参加してみてはいかがでしょうか。