株式会社SHO-CASEの新たな挑戦
神奈川県横浜市に拠点を置く株式会社SHO-CASEは、新たに「AppSheetアプリマーケット」を立ち上げ、建設業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進する新しいサービスを開始しました。この新事業は、既存の労務管理システム「SHO-CASE」から転換し、Googleのノーコード開発ツール「AppSheet」を用いたアプリ開発を中心に据えています。
これまでの歩み
SHO-CASEは2021年に労務管理システムをリリースし、以降多くの建設現場でそのシステムが採用されて来ました。創業者の髙村勇介氏は、現場監督時代の経験から生じた課題意識をもとに、現場の労務管理の効率化を目指すSaaS事業を展開していました。4年以上の活動を通じて判明したのは、現場の非効率の多くがプロジェクトの初期段階である「発注」や「計画」に根ざしていることでした。
現場だけでなく、経営層や協力会社を含む全ての関係者が関わる問題として、労務管理は一つの手段に過ぎないということが理解されました。これに対処するためには、全ての関係者が協力し合えるような新しいシステムが必要だと考えられました。
現場DXの現状
近年では大企業を中心にDXが進んでいますが、日本の建設業の大半を占める中小企業には多くの障害が存在します。IT人材の不足、コストの制約、業種に合ったサービスの不足が、DXの進展を妨げています。
矢野経済研究所の報告によれば、2024年の建設現場DX市場は586億円に達する見込みです。しかし、ハードウェア面の実証実験に留まり、ソフトウェア面にはまだ課題が残っています。
SHO-CASEはこれらの課題を解決するための方針を打ち立てました。すでに労務管理SaaSの運用経験を活かし、ただの労務管理にとどまらず、現場での様々な課題に取り組む必要があると考えました。
AppSheetアプリマーケットの展開
そこで、心理的および操作的なハードルを下げるために、Googleの「AppSheet」を基盤にしたサービスを選択しました。このプラットフォームでは、特定の業務アプリのテンプレートを公開し、企業が必要とするDXをスピーディかつ低コストで実現できる流れを作ります。例えば、案件管理アプリや工事写真管理アプリなど、すでにいくつかのアプリがラインナップされています。
「AppSheetアプリマーケット」では、SHO-CASEが築いてきた現場起点の視点とITの最適化力を活かし、誰でも使いやすいアプリテンプレートを提供します。利用者はGoogleアカウントさえ持っていれば、アプリをカスタマイズして自社のニーズに応じた改良が可能です。これは現場での「こんなのが欲しかった」というニーズに迅速に応えることができます。さらに、アプリの使い方はYouTubeチャンネル「AppSheetアプリTV」で詳細に解説されており、導入を容易にしています。
経営者のビジョン
代表取締役の髙村勇介は、「業界の多様性と構造的な課題に対処する中で、我々が目指す未来の実現にはSaaSだけでは限界がある」という考えから事業の転換を決定しました。「現場DX」にとどまらない、業界全体の進化を目指し、新しい手段を積極的に取り入れて「現場で働く人の価値を最大化する」取り組みを続けていくとのことです。
SHO-CASEは、新たなアプローチとしての「AppSheetアプリマーケット」で、建設業界のDXを加速させる意欲を見せています。この新サービスは、現場の実情を理解した上で開発されたものであり、これからの建設業界にとっての新たな道標となることでしょう。
AppSheetアプリマーケット
企業情報
- - 社名: 株式会社SHO-CASE
- - 所在地: 神奈川県横浜市中区尾上町1-6 ICON関内 YOXO BOX OFFICE 3F
- - 代表者: 髙村勇介
- - URL: sho-case.net