ランドマーク税理士法人が反映した相続市場の新たな現実とは

ランドマーク税理士法人が明らかにした相続市場の新局面

ランドマーク税理士法人（神奈川県横浜市）は、2022年から2024年にかけての相続税申告件数3,387件を基にした独自の調査結果を発表しました。この調査は、日本の相続の状況を鮮明に浮き彫りにするものであり、老老相続の現象が進行中であることが示されています。

調査から見える老老相続の実態

調査の結果によると、被相続人の平均年齢は84.5歳、相続人の平均年齢は68.9歳という驚くべき数字が出ています。被相続人のうち約75%が80歳以上で、相続人の高齢化も顕著です。このような状況から、「相続する側」と「される側」の両方が高齢者という構図が徐々に常態化していることが分かります。

その結果、財産管理能力の低下や連続相続リスク、資産停滞といった新たな社会的課題が浮上しています。調査によると、相続人の61.2%が高齢者（65歳以上）であり、94.2%の被相続人も同様に高齢者でした。さらに、平均取得財産額は約2億円である一方、1億円未満の財産を取得するケースが約59%を占めています。

老老相続の問題点

老老相続にはいくつかの問題が伴います。

1. 相続人の管理能力の低下
相続人が高齢であるために、不動産や金融資産の管理が難しくなり、時には認知症などにより管理が適切に行えなくなる場合があります。また、被相続人自身が財産状況を正確に把握していないために、相続手続きが複雑になることもしばしばです。

2. 連続相続発生のリスク
高齢者が相続人になった場合、その後の相続で再び相続が発生するリスクが高くなります。これにより、手続きがより複雑になり、相続トラブルや、子や孫の世代への税負担が増大する可能性があります。

3. 資産の停滞
相続制度は通常、資産の世代交代を促す目的がありますが、高齢者同士の相続の場合、資産が使われず貯蓄され、結果的に社会に流通しないという問題が発生しています。