青森市でスタートしたスマート水道検針実証試験
2024年10月1日、青森市にて総務省が推進するプロジェクトの一環として、株式会社ウォーターデバイス(WD社)のスマートメーターを用いた水道検針の実証試験が全国初として始まりました。この試験は、「令和6年度郵便局等の公的地域基盤連携推進事業」に参加し、郵便局のネットワークとデジタル技術を活かして地域の課題解決を目指しています。 郵便局の配達車両を利用して、スマート水道検針が行われることにより、データが自動で収集されるため、効率的な運用が可能になります。特に豪雪地帯での検針作業における効率化が期待されており、今後の展開に注目が集まっています。
実証試験の詳細と目的
今回の実証試験では、青森市内の5地区においておよそ200世帯を対象に約2ヶ月間スマート水道検針が行われ、従来の検針結果と比較して、その精度や効率を測定します。WD社のAMR技術(Automatic Meter Reading)を活用することで、郵便配達車両が通過する際に自動的に水道使用量データが収集される仕組みです。
このシステムは、導入コストが低く運用が簡単であるため、デジタルインフラが未整備な地域でも効果的に利用できることが特徴です。特に冬季には豪雪が頻繁に発生するため、目視での検針が困難になることがありますが、WD社のAMRシステムによって、効率的なデータ収集が可能となります。
WD社のAMRシステムの特長
WD社のAMRシステムは、他社と異なり、複数の水道スマートメーターと同時に通信を行うことができるため、広範囲でのデータ収集が可能です。この技術によって、AMI(Advanced Metering Infrastructure)システムと比較しても、コスト削減を実現し、全国に対応できる体制を整えることを目指しています。
さらに、受信機を搭載した車両が水道スマートメーターの近くを通過するだけで、検針ができるという柔軟な連携が可能です。そのため、異業種との協力も容易となり、地域のインフラを活用した新たなビジネスモデルが期待されます。
今後の展望と地域への影響
水道インフラには現在様々な課題が存在しています。老朽化したインフラの更新や災害対策、技術者の高齢化、収益の減少、検針員不足といった問題は急務です。WD社は今後も他業種との連携を強化し、水道スマートメーターの効率化を図ることで、コスト削減と収益改善に貢献する計画を持っています。
また、今回の実証試験を通じて得られた知見を基に、地方自治体との協力を深め、運用モデルを見直すことで、官民一体のインフラサービスの提供に繋げる意向を示しています。これは地域住民にとっても安全で効率的な水道サービスの実現に寄与するでしょう。
会社概要
株式会社ウォーターデバイスは、兵庫県豊岡市に本社を持つ企業で、代表取締役社長は岩本晃幸氏です。スマート水道メーターに関する技術を持ち、全国での導入を目指しています。今回の試験を通じて、スマートな水道管理システムが浸透することを期待しています。
この試験に関する問い合わせは、WD社の担当者までご連絡ください。今後の展開に注目しつつ、実証試験の成果を見守っていきたいと思います。