企業のAI活用が進化する今、課題も明らかに
進化を続ける技術の中でも、特に期待が寄せられているのがAI(人工知能)です。RX Japanが主催する『AI・人工知能EXPO NEO』が2026年8月に初開催される中、事前登録を行った来場者1,871件を元に企業のAI導入状況についての調査結果が発表されました。
この調査によれば、約89%の企業が個人的または部門レベルでAIを活用しているものの、全体の業務プロセスをAIに依存させている企業は僅か10%程度に留まる結果となりました。これは、AI活用がまだ初期段階にあることを示すもので、業界全体が次なるステージに向けて、様々な課題を乗り越える必要があることが浮き彫りになりました。
1. 導入段階からの進化
調査データでは、企業のAI活用状況は4つのフェーズに分類されており、フェーズ1が「個人レベル」での利用、フェーズ2が「組織・部門単位での展開」、フェーズ3で「業務代替」、そしてフェーズ4が「自律化・全体最適化」と定義されています。その中で、現在の約89%の企業がフェーズ1またはフェーズ2に位置していることが明らかになりました。
これは、生成AIの普及により多くの人々が個人レベルでAIを利用している一方、組織全体への浸透が十分ではないことを示しています。企業のAI活用は、もはやツールの導入だけにとどまらず、その効果をどのように組織全体に展開していくかが求められる段階に進化しています。
2. 課題の多様化
調査では、AI推進における最大の課題として『社内の理解・推進体制』が指摘されており、全体の27.5%がこの問題を挙げました。次に、実装・運用スキルとデータ基盤の整備が続き、これらが企業のAI活用を進める上でのハードルとなっています。フェーズ1では『社内の理解』が最大の問題として浮上し、フェーズ2ではデータ整備が重要視されるように、各段階で課題の優先順位が移行していることも見逃せません。
3. 企業規模によるアプローチの違い
企業の規模に応じてもAI活用のアプローチには違いが見受けられます。1,001名以上の大企業では39%がAI推進を部門単位で行っており、小規模企業の29.8%が全社一斉に取り組む傾向があります。この違いは、意思決定の速さや組織の複雑さによるものです。
特に大企業は、まずは部門単位での効果検証を行う傾向が強く、その後に全社展開を目指すというアプローチが顕著です。
4. 推進主導者の変化
AI活用が高度化するにつれ、推進に関わる主役も現場から経営トップへと移行しています。初期段階では現場の選定者や推進者が中心だったのに対し、最先端のフェーズ4では約40%が経営層となることが確かに示されています。これはAI活用が企業戦略の重要な一部となっていることを示唆しています。
5. 先行業種とボリューム業種
業種別の分析によると、AI活用が先行しているのは通信・ITセクターで、製造業は最大のボリュームを誇っています。特に、通信・ITはフェーズの進行に伴い構成比が上昇しており、成熟度が高まるにつれ、AI活用が進んでいるという特性もあります。一方、製造業は社内理解の促進が求められる一方で、様々な課題への同時対応が必須であることを明らかにしています。
まとめ
今回の調査結果から、企業のAI活用は急速に進展していますが、実務に定着するためにはまだ多くの派生課題が存在しています。特に、AI・人工知能EXPO NEOでは、企業がこれらの課題に対処するための最新ソリューションや事例を豊富に集約し、実装に向けた道筋を示すことが期待されています。このイベントを通じて、AIを理解し、活用するための具体的なアクションを見出す機会となることを願っています。