東京電力と三菱総合研究所が語る、蓄電池市場の活性化とビジネスチャンス
2024年12月19日、東京電力ホールディングス株式会社と株式会社三菱総合研究所によるセミナー「蓄電池市場活性化への取組とビジネス」が開催されました。本セミナーでは、東京電力ホールディングス株式会社 エリアエネルギーイノベーション事業室 蓄電池ビジネスグループマネージャー 藍譲二郎氏と、株式会社三菱総合研究所 エネルギー・サステナビリティ事業本部 デマンドサイドイノベーショングループシニアコンサルタント 杉山理恩氏が講師を務め、蓄電池市場の現状と未来について深く掘り下げました。
東京電力グループの取り組み:安全性を重視した市場活性化
藍氏は、東京電力グループがカーボンニュートラルと防災対策という観点から、蓄電池市場の拡大に大きな期待を寄せていると説明しました。近年増加している蓄電池関連の火災事故を踏まえ、同社は安全性を最優先事項として、コスト削減と顧客価値の向上を両立させながら、顧客ニーズに合わせた蓄電池システムの提供に注力しています。
講演では、東京電力グループのカーボンニュートラルに向けた取り組み、蓄電池市場の現状分析、蓄電池システムに求められる安全性、市場活性化に向けた具体的な取り組み、そして運用最適化を見据えたエネルギーサービスの展開などが詳細に解説されました。質疑応答の時間も設けられ、参加者からの活発な質問が飛び交いました。
蓄電池ビジネスを取り巻く政策・市場動向とビジネスチャンス
杉山氏は、需給調整市場や長期脱炭素電源オークションの開設、出力制御の増加といった政策環境の変化、そして電気料金の高騰や蓄電池価格の低減などを背景に、定置用蓄電システムを活用したビジネスの機運が高まっていると指摘しました。
しかしながら、ビジネスモデルや事業性の不確実性も依然として大きいのが現状です。講演では、蓄電池を取り巻く市場環境と政策動向、それらに起因する課題が整理され、系統用蓄電池、再エネ併設ビジネス、FIP制度導入による再エネアグリゲーションビジネス、そしてソーラーシンギュラリティやストレージパリティの可能性といった、今後のビジネスチャンスが具体的に示されました。質疑応答を通して、参加者は活発に意見交換を行い、活気のある議論が展開されました。
まとめ:蓄電池市場の未来への展望
本セミナーでは、東京電力と三菱総合研究所の専門家によって、蓄電池市場の現状と将来展望が詳細に提示されました。安全性を確保しつつ、顧客ニーズに応えるシステムの提供、そして政策動向を踏まえたビジネスモデルの構築が、今後の市場拡大のカギを握っていることが示唆されました。
本セミナーは、蓄電池ビジネスに関わる企業や関係者にとって、貴重な情報と今後の戦略立案に役立つ示唆に富んだ内容となりました。参加者は、蓄電池市場の潜在力と可能性を改めて認識し、今後のビジネス展開に活かすための多くのヒントを得ることができたことでしょう。
セミナー開催概要
主催: 新社会システム総合研究所 (SSK)
日時: 2024年12月19日(木)午後2時~5時
開催場所: 紀尾井フォーラム(東京都千代田区)
受講方法: 会場受講、ライブ配信(Zoomウェビナー)、アーカイブ配信
新社会システム総合研究所 (SSK) について
新社会システム総合研究所 (SSK) は、1996年設立以来、法人向けビジネスセミナーを年間約500回開催するなど、多様なビジネス情報を提供することで、企業の事業機会創出に貢献しています。セミナー企画運営代行サービス、講師派遣、市場調査レポート販売など、幅広いサービスを提供しています。