名古屋・徳川美術館 開館90周年
名古屋市東区に位置する
徳川美術館は、2025年11月に開館90周年を迎えます。この美術館は、
徳川家康の子孫である尾張徳川家に伝わる大名道具や文化財を収集・保存し、広く公開することを目的として設立されました。開館当初から、明治維新によって失われつつあった大名文化を後世に伝えるための先駆的な役割を果たしています。
美術館の設立者である尾張徳川家19代当主、
徳川義親の思いを受け継ぎ、徳川美術館は美術を通じて日本文化の真髄を伝える活動を続けています。90周年の本年、同美術館は特別展を開催するとともに、ロゴや公式ウェブサイトのリニューアルを行い、100周年に向けて新しい章のスタートを切ります。
開館90周年を祝う特別展
1.
国宝 初音の調度展(4月12日~6月8日)
国宝として名高い「初音の調度」を中心にした展覧会では、将軍家の姫君の婚礼道具として制作されたこの名品を含む蒔絵作品が公開されます。10年振りとなるすべての調度品が一堂に会し、その魅力を讃えます。
2.
時をかける名刀展(6月14日~9月7日)
徳川美術館が誇る質・量ともに日本一を誇る刀剣コレクションの中から、特に優れた名刀を紹介し、その背後にある歴史的なエピソードを展開します。
3.
尾張徳川家 名品のすべて展(9月13日~11月9日)
名品や重要文化財を通じて、徳川家康の遺品を紹介し、美術館とその文化財がどのように歩んできたのかを知る貴重な機会となります。
4.
国宝 源氏物語絵巻展(11月15日~12月7日)
日本を代表する芸術作品である源氏物語絵巻の全巻が一堂に展示され、希少な文化財の魅力を余すことなく楽しむことができます。
新しい取り組みについて
開館90周年を機に、
川上シュン氏をアートディレクターに迎え、伝統美と現代的感性を融合させた新たなデザイン戦略を導入しました。公式ロゴは、国際的な視点を持ちつつ日本文化を発信することをテーマとし、日本語・英語を同じ大きさで併記しています。また、フォントには当館の歴史的な収蔵品のディテールを盛り込んでいます。
彼により、公式ウェブサイトもリニューアルされ、作品検索や新機能が追加されました。これにより、視覚的に日本美術を楽しむことができる利便性の高いサイトとなりました。
地元企業とのコラボレーション
さらに、地元企業とも提携を図り、特別な商品を展開しています。たとえば、「赤桃と白桃の姫君ぴよりん」や「墨色のクッキー缶」など、名古屋ならではの食材を使用した特別なアイテムが販売され、文化的な要素を取り入れています。
また、名古屋観光ホテルとのコラボレーションで、特別な宿泊プランも用意されており、来場者は美術館と名古屋の魅力を同時に楽しむことができます。
まとめ
名古屋の徳川美術館は、開館90周年を迎え、日本の美を次世代に伝えるために新たな挑戦を続けています。文化財の保存にとどまらず、地域とのつながりを持ち、観光や食文化と組み合わせた新たな展開に目が離せません。興味を持たれた方は、ぜひ訪れて、日本の誇りある文化に触れてみてください。