吃音に関するオンライン講座が専門職向けに開催されました
2024年11月29日(金)、オンラインプラットフォームZoomを通じて、専門職向けに『小児期の吃音における初回面談の重要性』という講座が開催されました。この講座は、吃音に関与するさまざまな職業の専門家が参加し、臨床現場での具体的な知識と技術を習得することを目的としています。
講座の概要と講師
この講座には、言語聴覚士や心理職、保健師など、さまざまなバックグラウンドを持つ111名の参加者が集まりました。講師を務めたのは、岐阜県高山市の久美愛厚生病院で言語聴覚療法を行っている田宮久史先生です。彼は長年にわたり吃音に関する講演会や地域活動に従事してきた実績を持ち、特にエビデンスに基づいた説明が高く評価されています。
講座は主に、吃音の特徴や進展の流れ、初回面談時に重要な関わり方について解説されました。受講者は初回面談の模擬ビデオを通じて、どのように患者様と接するべきかを具体的に学びました。
開催の背景
参加者にとって、吃音についての理解を深めることは特に重要です。現在、吃音にはさまざまな治療法が提案されているものの、一貫した解決策は見つかっておらず、個々の症状に応じた個別対応が求められています。最近の調査によれば、約5%の人が過去に吃音を経験し、現在進行中の人はおおよそ1%に達していると言われていますが、吃音に対応できる医療機関は限られています。この講座は、そうした状況を改善するための取り組みとして企画されました。
講座の内容
当日は、まず吃音の基本知識や初期の対応について説明があり、その後、模擬プレゼンテーションを交えた具体的な初回面談のデモが行われました。講座は約90分ほど進行し、参加者からの多くの質問に対しても丁寧に回答されました。参加者たちは、吃音に関する具体的な知識を得るとともに、臨床での活用法についても理解を深めることができました。
参加者の中には、実際の患者様とのやり取りを映した動画が非常に効果的だったと語る人も多数いました。個別の事例に基づいた説明や環境調整の必要性がはっきりと伝わり、参加者の関心を集めました。
参加者からのフィードバック
参加者からは、多くのポジティブな声が寄せられました。「初回面談のロールプレイが非常に分かりやすかった」「具体的な説明が、実際の支援に役立ちそう」など、即実践可能な情報が得られたことを喜ぶ意見が多く見受けられました。また、講師の田宮先生に対する信頼感も高く、今後も継続的な講座を求める声が多数寄せられました。
録画配信の情報
今回の講座は録画配信も行われており、受講を逃した方や再度確認したい方のために、2025年1月7日まで視聴可能です。詳しい情報やお申し込みは、Peatixの特設ページからアクセスできます。
まとめ
『小児期の吃音における初回面談の重要性』というこの講座は、吃音に関わる専門職が実践的なスキルを学ぶための貴重な機会となりました。吃音支援の必要性が再認識される中、今後もこのような研修が増えていくことに期待したいと思います。受講者の皆さんが、本講座で得た知識を臨床に生かし、より多くの方々の支援に繋がることを願っています。