形彫り放電加工機の登録
2024-09-03 17:56:47

国立科学博物館に登録された日本初の形彫り放電加工機の意義とは

国立科学博物館に登録された形彫り放電加工機



2023年度、株式会社ソディックが1954年に開発した「Japaxtron D3」と1980年の「22-NC 8000」の2機種の形彫り放電加工機が、国立科学博物館の「未来技術遺産」に登録されました。この登録は、日本の科学技術の発展における重要なマイルストーンを象徴しています。

未来技術遺産とは


「未来技術遺産」とは、独立行政法人国立科学博物館が、日本の科学技術史の中で重要な役割を果たした資料を選定し、保存するための制度です。この活動は2008年度から行われ、今年新たに登録された18件を含む合計381件が、次世代に継承していくための資料として重要とされています。これにより、科学技術の発展に寄与した先人たちの努力や知恵が次世代に伝えられることを目的としています。

登録された2機種の形彫り放電加工機


東京工業大学に納品された「Japaxtron D3」と、日本初のマイコンNC搭載の「22-NC 8000」は、それぞれに意味深い技術的背景を持っています。

Japaxtron D3


  • - 製作年: 1954年
  • - 選定理由: 放電加工機は金属加工において重要な役割を果たしてきました。特に「Japaxtron D3」は、非接触で金属を加工する手法を用い、難削材への対応が可能です。この機種は、日本の製造技術に革命をもたらしました。東京大学での研究が始まった1948年からわずか数年後に、この機種が登場したことで、日本における形彫り放電加工機の歴史がスタートしました。
  • - 重要性: 日本の物づくりを支える技術の礎として、特に金型加工においてその実力を発揮しました。この機種は、他国とは異なるアプローチによって開発され、その重要性が高く評価されています。

22-NC 8000


  • - 製作年: 1980年
  • - 選定理由: 22-NC 8000は、マイコンを用いたNC(数値制御)を搭載した形彫り放電加工機であり、加工精度の向上に貢献しました。この機種は、X、Y、Zの3軸を同時に制御し、さらにU軸による電極の動きまで操ることが可能です。
  • - 重要性: 1980年代の日本において、製造業はさらに高度な技術を求められました。22-NC 8000はそのニーズに応える形で開発され、複雑な金型加工を実現しました。これは業界全体の技術革新へと結びついており、現存する最古級のマイコンNC搭載の放電加工機としての価値も高いものです。

未来に向けて


「未来技術遺産」の登録は、過去の技術を振り返るだけでなく、未来の技術開発に対する大きな刺激となります。ソディックのこれらの機種が持つ歴史的意義は、今後の技術革新においても、重要な指針となるでしょう。すなわち、歴史から学び、さらなる発展に繋げることが求められています。これらの技術が、これからの日本の製造業を支えていくことを期待せずにはいられません。


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会社情報

会社名
株式会社ソディック
住所
神奈川県横浜市都筑区仲町台3-12-1
電話番号
045-942-3111

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