地域活性化の新たなモデル・SETが受賞した「ともに創る未来賞」とは
近年、地域活性化が重要課題として注目されていますが、その中である認定NPO法人が特別な賞を受賞しました。それが、岩手県陸前高田市に本部を置く
SET。彼らは、第16回地域再生大賞の「ともに創る未来賞」を受賞し、全国的な地域活性化のモデルとしての注目を集めています。
受賞の背景
「地域再生大賞」とは、共同通信社が主催する賞で、全国の新聞社などが推薦する地域の取り組みを対象に選考されます。審査の基準となるのは、独自性や地域性、継続性、発展性など。この中で「一過性で終わらない仕組み」を持ったSETの活動が評価され、彼らの 15年以上の取り組みが認められました。
SETの取り組み
SETは、東日本大震災を契機に発足し、岩手県陸前高田市の広田町で活動を開始しました。震災直後は復興支援に従事し、徐々に「支援する/される」という関係を超え、地域住民と若者が対等な立場でともに時間を過ごす関係を築きました。
彼らのプログラムは、一時的な交流イベントに終わらず、地域の日常に若者が関わる工夫がなされています。例えば、大学生が地域の家庭を訪問し、地域の方々との対話や作業に参与するスタディプログラム。このアプローチによって、「顔の見える関係」が持続的に築かれています。
この結果、延べ 1 万7000人以上の修学旅行生が民泊体験を通じて地域に足を運び、さらには80人以上の若者が岩手県内に移住していきました。彼らの中でも、一部は地域活動や仕事に従事し、現在も地域と結びつきを持ちながら生活しています。
地域文化の再生
SETの取り組みは、地域文化や経済にも影響を与えています。若者と移住者が地域の伝統的な行事や文化活動に積極的に参加することで、長い間途絶えていた盆踊りや郷土芸能が復活しました。特に、40年以上も途絶えていた剣舞が最近復活したことは、世代を超えた地域の活性化を示す一例です。
修学旅行民泊プログラムでは、家庭への謝金に加え、地域の事業者と連携したクーポンを通じて地域経済にも循環が生まれています。このように、単なる交流が「思い出」に終わることなく、地域の日常生活に影響を与えていることがSETの大きな特徴となっています。
「人が育ち、地域に戻る」循環モデル
SETが評価されたポイントの一つが、「人が育ち、地域に戻る」という循環モデルです。若者が地域での経験をもって全国各地で教育、地域づくりに挑戦する姿が増えています。その結果、陸前高田での経験が地域を越えて波及していることがこの実践の重要な価値の一つです。
理事長のコメント
SETの理事長である三井俊介氏は、「この受賞は地域の皆さんや参加してくれた学生の努力の賜物です」と感謝の意を表しています。また、「今後も『やりたい』を『できた』に変えるミッションをもとに、地域と都市が共に学び合う関係を継続していく」と決意を述べました。
SETのこれから
今後もSETは日本の未来に向けて、地域と若者との持続可能な関係性を創出し続けるでしょう。若者が地域に求められる存在として活躍し、地域の活力を生み出しつつ、より良い社会を築くためのモデルとしての役割を果たすことが期待されています。
SETの努力を通じて、「ともに創る未来」に向けた新たな一歩が着実に踏み出されているのです。