新しいサステナブル素材としての「ウイスキーペーパー」
サントリーの白州蒸溜所で新たに誕生した「ウイスキーペーパー」は、ウイスキー製造過程で発生するモルト粕を活用した画期的な紙素材です。この新しい素材は、サントリーパブリシティサービス株式会社(SPS)と株式会社kitafukuが共同で開発したもの。
開発の背景
ウイスキー製造においては、モルト粕が食材や飼料に活用されてきたのが一般的です。しかし、SPSはこの副産物に着目し、そのサステナブルな可能性を見いだしました。特に、白州蒸溜所の自然環境との調和を意識した商品開発の一環として、モルト粕を紙に変えるプロジェクトがスタートしました。
この取り組みには、クラフトビールのモルト粕を紙化する技術を持つkitafukuが参加しており、製紙技術においても株式会社ぺーパルの協力を得ています。このようなさまざまな企業の連携によって、業界初となる「ウイスキーペーパー」が生まれました。
商品概要
「白州の森ウイスキーペーパー紙袋」として展開されるこの商品は、ウイスキーペーパーを用い、具体的には白州蒸溜所で発生するモルト粕を全体の約5%使用しています。2025年8月13日から白州蒸溜所内のショップにて販売が開始される予定で、ウイスキー愛好者や観光客にとって新たな体験を提供することが期待されています。
「ウイスキーペーパー」の特性
この新素材は、自然な風合いを持ちながらも印刷や加工がしやすい特性を備えています。そのため、ショッパーとしての利用だけでなく、他の商品への応用も可能です。つまり、サステナブルな素材を求める企業にとって、新たな選択肢となるでしょう。
SPSは今後も「ウイスキーペーパー」を活用したオリジナル商品の開発に注力し、さらには他のブランドや施設との連携を進める計画です。これは、地域の特性やリソースを有効活用した新たなものづくりの展開を意味しています。
開発者の思い
プロジェクトの発起人であるSPSの担当者は、「白州蒸溜所の理念に基づく新しいショッパーを生み出す過程で、モルト粕に注目しました。kitafukuの技術にインスパイアを受け、ウイスキーにも応用できるのではないかと考えたのがスタートでした」と語ります。
「ウイスキーペーパー」が広まり、商品を手に取った方々が素材や製造工程に興味を持つきっかけになれば幸いです。この活動を通じて、アップサイクルの選択肢が広がり、多くの人々に白州蒸溜所のものづくりに対する理解が深まることを願っています。」
会社情報
kitafuku
- - 所在地:神奈川県横浜市
- - 代表者:松坂 匠記
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サントリーパブリシティサービス株式会社
- - 所在地:東京都江東区
- - 代表者:千 大輔
- - 公式サイト