スペラファーマが示す新たな創薬の可能性
2025年9月14日から15日まで、熊本市の崇城大学で開催される「第71回年会日本生薬学会」において、スペラファーマ株式会社と琉球大学の城森教授による共同研究の成果がポスター発表されます。この発表は、近年の創薬研究において注目を集める技術、MicroED(マイクロ電子回折)の応用例として特に重要です。
MicroED技術とは?
MicroEDは、微量の結晶試料を用いて、その結晶の構造情報を迅速に取得するための革新的な手法です。従来の単結晶X線構造解析に比べて、極めて少量のサンプルからでも正確な構造情報を得ることができるため、創薬の初期段階での構造決定における強力な手段として期待されています。
沖縄産海綿から発見された新たな化合物
今回の研究成果は、沖縄に生息する海綿Stylissasp.から抽出された新しいAmphilectene系化合物に関するものです。従来の方法では、得られるサンプル量が非常に少なく、かつその構成元素が軽いために立体配置の決定が難しかったとされます。しかし、スペラファーマが開発した3D ED/MicroED技術を駆使することで、極微量のサンプルから迅速に絶対立体配置が特定されることに成功しました。
創薬研究の推進
この新規化合物は、B型肝炎ウイルスに対して有効なシード化合物であることが確認されています。これにより、MicroED技術が創薬研究における基盤である「構造決定」を加速化する可能性が示されました。正確かつ迅速な構造解析により、研究者たちが新しい治療薬の開発を進める上で、大きな助けとなることでしょう。
スペラファーマの研究開発への取り組み
スペラファーマ株式会社は、医薬品の研究開発を行う企業であり、特にCMC(化学、製造、コントロール)に関する業務を専門としています。同社は、大阪市を拠点に、3D ED/MicroED技術を利用した極微量の天然物の構造解析をはじめ、結晶多形や製剤中のAPI(有効成分)解析など、多様な分野でその技術を応用しています。正確な構造情報をスピーディに提供することで、各研究機関や製薬会社の研究および開発の課題解決を支援しています。
開催概要
第71回年会日本生薬学会は、以下の通り開催されます。
この機会に、最新の研究成果をぜひご覧ください。