医療機器の呼吸ガス経路に関する新たなISO規格の発行
日本規格協会は、2025年4月1日に医療機器用の呼吸ガス経路に関する最新のISO規格の邦訳版を発行することを発表しました。この規格は、患者の安全性を確保するために必要不可欠な評価基準となります。
新しい規格の内容
今回発行される規格は、「ISO 18562-3:2024」と「ISO 18562-4:2024」です。これらは、呼吸ガス経路に関連する医療機器の生体適合性を評価するための試験を規定しており、特に揮発性有機化合物と凝縮液中の溶出物について焦点を当てています。
ISO 18562-3:2024
この部分は、ヘルスケア用途における呼吸ガス経路の生体適合性評価に関して、揮発性有機物質の排出試験を詳細に規定しています。医療機器全体の評価や開発の過程において、リスクマネジメントの一環として重要な役割を果たします。医療機器やその部品、附属品のガス経路からの揮発性物質の放出を測定するための手順が示されています。
ISO 18562-4:2024
この規格は、凝縮液中の溶出物の測定に関する試験を対象としています。呼吸器を介して患者に供給される物質に関するリスクを評価し、呼吸ケアの安全性を向上させるための基準となります。適切な環境下での試験が求められ、医療機器の信頼性を確保するための重要な要素となっています。
購入情報
- - ISO 18562-3:2024(英語版):税込価格18,865円(15ページ)
- - ISO 18562-3:2024(邦訳版):税込価格33,957円(44ページ)
- - ISO 18562-4:2024(英語版):税込価格18,865円(16ページ)
- - ISO 18562-4:2024(邦訳版):税込価格33,957円(44ページ)
日本規格協会では、これらの規格を通じて、医製品業界の品質向上と患者の安全確保に寄与することを目指しています。
規格に関する意義
新しいISO 18562シリーズの導入によって、呼吸ケアに用いられる医療機器の生体適合性がより厳格に評価されることになります。特に、五感で認識できないリスクを可視化し、医療現場での安全性を飛躍的に向上させるための手段となります。
また、企業がこの規格に基づく評価を行うことで、製品の品質管理やリスク管理のプロセスが一層強化されることが期待されています。これは、患者に安全な医療サービスを提供するための社会的な責任でもあります。
まとめ
医療機器の生体適合性評価は、患者の健康と安全に対する重要な要素です。日本規格協会が発行する新しいISO規格は、医療現場でのリスクを最小限に抑え、より安全で信頼できる医療環境を作るための基盤となることでしょう。これにより、多くの患者が安心して医療を受けられる未来が開かれることを期待しています。