株式会社ラキールが実施した最近の調査により、デジタルトランスフォーメーション(DX)時代における日本企業の人事部門の状況が明らかになりました。この調査は、企業がどのようにデータを活用して業績を向上させているのか、またどのような課題に直面しているのかに焦点を当てています。
調査結果によると、企業は「業績・売上状況」や「経営戦略」を把握できる割合が約70%と高い一方で、従業員の個々の状態や思考を把握できている企業は40%未満と、従業員の状況に対する認識には大きなギャップがあることが示されました。これにより、企業が従業員のモチベーションやコンディションの理解において遅れをとっていることが浮き彫りになりました。
また、企業が取り組んでいる人事施策の多くは、業務の効率化に重点が置かれており、戦略的な人事の推進に必要な施策に手を付けている企業は全体の1割強と、かなりの低水準であることも明らかにされました。これには、例えば「HRBP(人事ビジネスパートナー)」体制の導入や「CHRO(最高人事責任者)」の設置などが含まれますが、これらは企業の競争力を高めるために不可欠な要素です。
データ活用の現状を見ていくと、調査に回答した企業の約30%は「人事データの分析」を行っていないと明言しました。特に、従業員数が1,001名以上の企業ではこの割合が1割以下であるのに対し、100名以下の企業では5割以上が分析を行っているとのことです。このことは、企業の規模によって人事データの活用状況が大きく異なることを示しています。
さらに、データ分析を行っていない企業の40%以上は「人事のリソースが不足しているため、分析にまで手が回らない」といった声を上げており、リソースの問題が分析の妨げとなっていることが分かります。一方で、データ分析を行い、その結果を活用している企業は問題をあまり感じていないことが多い一方で、データを分析しても有効活用できない企業のうち約50%が「データが各システムに分散していることが原因で活用できない」と述べています。
ここで注目すべきは、さまざまなSaaSやツールが普及する中で、人事データを一元化することの重要性です。データを組織全体で統合的に管理し、一元化することができれば、人事部門はより戦略的にデータを活用しやすくなるでしょう。これにより、企業の成長に寄与することが可能となります。
調査を背景に、ラキールは自社で開発した「LaKeel HR」を通じて、オペレーション人事から「実行できる戦略人事」への変革を支援しています。このシステムは人材管理や給与、勤怠、入退社手続き、タレントマネジメント、分析などの機能を統合的に備えており、組織や人材に関するデータを集約することができます。先進的な技術に基づくアプリケーションの開発運用プラットフォーム「LaKeel DX」の上で構築されているため、企業ごとに特化した業務への対応も容易で、外部システムとのAPI連携も実現できます。
本調査レポートは、企業の人事部門が抱える課題を浮き彫りにするとともに、その解決に向けた新たな知見を提供することを目的としています。データ活用に向けた新たな視点を得るため、企業にとっても価値ある内容となることでしょう。調査結果の詳細は、無料でダウンロードできるレポートにまとめられています。興味のある方はぜひアクセスしてみてはいかがでしょうか。
本調査は、日本の人事部主催『HRカンファレンス』に参加した52名を対象に実施され、インターネット調査方式で行われました。また、HRプロ会員193名を対象にした2番目の調査も並行して行われています。これらの結果を参考に、各企業が自社の人事データ活用の改善に向けた意識を高めていくことが期待されます。