新たな合弁会社の誕生
2024年6月に、自動運転技術とMaaS(Mobility as a Service)の革新を目指す合弁会社「ピクセルインテリジェンス株式会社」が設立されることが発表されました。この新会社は、TIS株式会社(本社:東京都新宿区)と、自動運転EVおよび各種ロボットの開発を行う株式会社ピクシームービング(本社:東京都中央区)の共同出資により設立されます。合弁会社の所在地は東京都港区で、代表取締役社長にはPIX日本の喩川氏が就任します。
合弁設立の背景と目的
TISとPIX日本は、2022年7月に資本業務提携契約を締結し以来、様々な分野での協業を進めてきました。近年の法改正により、自動運転技術の規制が緩和され、特定条件下での公道運転が可能になったことが、この合弁設立に繋がった要因と言えるでしょう。2024年の内閣府発表でも、全国100カ所での自動運転実証運行の計画が提示されており、今後ますます自動運転に関する市場が盛り上がる期待が寄せられています。
PIX JVは、MaaS関連の自動運転EVやロボットの開発・製造を主な事業としており、その成果として提供される製品やサービスは、TISが掲げる「低・脱炭素化」「都市集中・地方衰退」といった社会課題の解決に貢献することを目指します。日本国内外における新しいITイノベーションサービスの創出を通じて、持続可能な社会を築くための基盤を固めます。
ピクセルインテリジェンス株式会社の概要
TISが30%、PIX日本が70%の出資比率で設立されたPIX JVは、茅ヶ崎市に工場を構え、スケートボード型EVシャシーや自動運転バス、無人販売EVなど、多様な製品の製造を行います。これらの製品は、すでに20か国以上での販売実績があり、今後も日本国内でのナンバープレート取得に向けた計画が進められています。
製品およびサービスの特徴
新設の茅ヶ崎工場では、PIX Movingの先端3Dプリント技術を駆使して、高品質な自動運転関連製品を大量生産する予定です。特に注目されるのが、自動運転Robo-Busであり、観光地や大学キャンパスといった特定の環境下での人々の移動をスムーズにする役割を果たします。また、Robo-EVは、個人の短距離移動やカーシェアリングサービスに活用され、新たな移動のスタイルを提供することが期待されています。
TISのビジョンと今後の展開
TISは今後、PIX JVとの共創を通じて、サービスロボットや自動運転の新市場開発に注力します。具体的には、複数のサービスロボットを統合で管理するプラットフォーム「Robotic Base®」を用いて、清掃や警備、配膳などの業務に無人化を進め、企業向けのロボット提供サービスを強化します。
さらに、自動運転技術を活用したグリーンスローモビリティの普及を通じて、業務効率化を図るなど、社会課題への貢献を目指します。これにより、持続可能で豊かな未来の実現に一歩近づくことでしょう。
まとめ
合弁会社「ピクセルインテリジェンス株式会社」の設立は、自動運転やMaaS分野における革新を促進させる重要なステップであり、TISとPIX日本は協力して新しい市場を切り開くことを目指しています。これからも彼らの動向から目が離せません。