今、注目の技術が人工知能学会で発表
2023年10月、この秋の人工知能学会で、AIVALIX株式会社とインディゴ株式会社が協力した共同研究の成果が発表され、多くの注目を集めています。特に、ナレッジグラフを活用した新しい手法「Knowledge Graph Retrieval Augmented Generation(KGRAG)」に関する論文が、その詳細を明かしました。
論文の概要
発表された論文「KGRAGにおける探索範囲の限定を目的とした、段階的サブグラフ抽出及びマルチホップ質問応答手法の検討」では、多段階の質問応答における探索効率を大幅に改善することが求められました。ここでの課題は膨大な探索空間と計算負荷です。それに対し、研究者たちは「型情報」「ベクトル類似度」「言語モデル評価」を組み合わせた高効率な手法を提案しています。
提案手法の仕組み
提案方法では、質問文から適切なエンティティの型(type path)を学習し、それに基づいてサブグラフの探索を段階的に制限します。さらに、ベクトル類似度と大規模言語モデル(LLM)による再評価を併用することで、正答率と探索の効率性を両立させています。
実験結果と成果
実際の実験では、映画ドメインにおけるベンチマークデータセット「MetaQA」を使用し、従来の手法と比較して大幅な効率改善が確認されました。特に、AIの計算コストを抑えつつ複雑な質問に対しても柔軟に対応できる能力が実証されたのです。この研究結果は、AIの技術的進化だけでなく、実務における現実的な問題への解決策となり得るものです。
研究の意義と今後の展望
AIVALIXは、今回の研究成果をもとに「ナレッジグラフ × 生成AI」という新たなプラットフォームの社会実装を目指しています。特に、インフラや製造業界において、ナレッジの継承や意思決定支援に寄与したいという考えを持っています。
CTOのコメント
AIVALIXのCTOである大島虎太郎氏は、ナレッジグラフとAIの融合が、産業界の知識活用をいかに変革するかに注目しています。彼によれば、AIが「考える過程」を最適化することで、業務効率を劇的に向上させられる可能性があるとのことです。
AIVALIX株式会社とは
AIVALIXは、東京大学発のスタートアップとして、社会インフラの老朽化や人材不足などの課題に立ち向かっています。その使命は、AI技術を駆使してインフラメンテナンスプロセスを最適化・自動化し、持続可能な社会基盤を構築することです。
最近の受賞歴には、東京都主催の「出世魚ピッチ」や「最優秀賞」などが含まれ、今後の成長が期待されています。
結論
AIVALIXの研究成果は、ナレッジグラフを利用した生成AIの新たな適用範囲を広げるだけでなく、業界全体の知識活用を促進する可能性を秘めています。今後の展開も注目される中、現場とのさらなる連携が期待されます。また、社会におけるナレッジの重要性を認識し、今後の業界の発展に貢献することが求められています。