求められる面接官のスキルとは？実態調査で明らかに

面接官の現状に迫る実態調査

株式会社エン・ジャパンが運営する人事情報サイト『人事のミカタ』が、面接官に関する実態調査を実施し、興味深い結果が浮かび上がりました。この調査では、179名の人事担当者が回答した内容を基に、現代の面接官に求められるスキルや問題点について明らかにしています。

1. 面接官の経験年数と研修状況

調査結果によると、37％の人事担当者が面接官としての経験が「10年以上」と回答しました。一方で、60％以上の参加者が面接官としての研修を受けたことがないことが判明しました。これは、経験豊富な面接官が多い一方で、正式な教育を受けていないことを示しており、能力や適性の見極めに対して課題感を抱える要因となっています。実際、面接の回数は多いが、適切なトレーニングが不足しているという現実が浮かび上がってきています。

2. 面接官の人数と企業規模

調査によると、面接官を担える社員の数は、主に「3～5人」で構成されている企業が53％を占めています。ただし、企業の規模によってその人数にばらつきが見られ、少人数の企業では1人の面接官しかいないことが多いのに対し、大規模企業ではより多くの面接官が確保されている傾向があります。このように、企業の規模によって面接担当者が変動することから、面接制度の構築においては企業の特性を考慮する必要があります。

3. 面接官の悩みとは

面接官を務める上で、多くの担当者が抱える悩みも調査で明らかになりました。81％の人事担当者が「面接官としての悩みを感じる」と回答しており、特に「候補者の能力や適性を正確に見極めるのが難しい」との意見が84％を占め、次いで「候補者の本音や意欲を引き出す質問が難しい」と60％の意見が寄せられました。

このことから、即戦力となる人材を見つけることが面接官の大きな課題であることが浮かび上がります。入社後に早期退職するケースや、履歴書との不一致、ウェブ面接の際の実態把握の難しさなど、多くの面接官が共通して経験している問題が存在しています。

4. 面接官としての対策

悩みを抱える面接官たちは、どのような対策を講じているのでしょうか。調査では、「候補者の回答を深掘りする質問を準備する」という具体的な対策が53％を占めており、他にも様々な工夫がなされていることが示されています。これらの対策は、実際に他社で効果があったノウハウとして紹介されています。候補者がリラックスできるように面接官自らの失敗談をシェアするなど、心理的なハードルを下げるアプローチも効果的であることが示唆されています。

結論

今回の調査から、面接官の存在がもたらす影響や、実際に抱える悩み、さらにはその解決策までが明らかになりました。面接官にとって、専門的なスキルや知識を磨くことが求められており、それをサポートする体制が今後ますます重要になるでしょう。

人事担当者の皆様は、ぜひこの調査結果を踏まえ、より良い面接経験を候補者に提供できるよう努めていきたいものです。