IHIとインドネシアが手を組みグリーンアンモニア燃焼を検討
IHIは、インドネシアの主要な電力会社であるPLN社および肥料製造会社のププック社と共同で、インドネシアにおける商用石炭火力発電所ラブアン発電所でのグリーンアンモニアを利用した燃焼実証に関する覚書を締結しました。この取り組みは、経済産業省主催のアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)第二回閣僚会合と連動して発表されました。
燃料転換の目的と経緯
インドネシア政府は、2060年までに温室効果ガスの排出ゼロを目指しています。しかし、その実現には火力発電所から排出される二酸化炭素(CO2)の削減が重要な課題となっています。そこで、カーボンニュートラル燃料として注目されるアンモニアや水素の利用が検討されています。IHIは、2022年にインドネシアの火力発電所でのアンモニア実証試験に成功しており、今回の覚書締結を受け、さらなる燃焼実証に向けた取り組みを進めています。
具体的な取り組み内容
本覚書のもとで、IHIとPLN社、ププック社は、グリーンアンモニアの製造から発電所への供給、燃料転換までの全てのプロセスにおける技術的および経済的な検討を進めることになります。具体的には、IHIが発電所の改造に関する技術的な研究を進め、PLN社が発電所の提供、ププック社がグリーンアンモニアの製造と供給に関する責任を担うこととなります。
目指す未来のエネルギー環境
IHIは、この先進的な取り組みを通じて、ASEAN地域におけるカーボンニュートラルの実現に向けた具体的な道筋を提供し、世界全体の持続可能なエネルギートランジションを促進していく考えです。さらに、燃料としてのアンモニアを利活用するモデルの普及を図ることで、カーボンニュートラル燃料の早期社会実装を進め、質の高いインフラを提供しながら環境負荷の低減に寄与していく予定です。
結論
IHIとインドネシアの協力により、新たなエネルギー供給の形が模索される中で、グリーンアンモニアの利用が一層進展することが期待されます。この取り組みが、他の国々にとっても持続可能なエネルギーの実現に向けた重要な指針となることでしょう。