共栄火災と日立が進める基幹システムのクラウド化プロジェクト
共栄火災と日立の協業による新たな挑戦
共栄火災海上保険株式会社と株式会社日立製作所は、この春、共栄火災の基幹システムをメインフレームからパブリッククラウドへ移行するプロジェクトをスタートさせました。この取り組みは、2030年度中の稼働開始を予定しており、両社の技術力を結集して、より柔軟で効率的なシステム環境を構築することを目指しています。
システムモダナイゼーションの背景
近年、国内の多くの企業ではメインフレーム上のプログラムが肥大化し、ブラックボックス化することによって、システム開発が高コストで長期化する傾向が強まっています。また、メインフレーム技術者の不足も大きな問題となっており、共栄火災でもこれらの課題に直面していました。デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や、外部サービスとの連携のために、基幹システムのモダナイゼーションが急務とされていたのです。このような背景から、日立と共栄火災は業務提携を行い、プロジェクトを開始しました。
プロジェクトの特長
このプロジェクトの特徴は、日立の豊富な実績と専門知識を活用し、効率的かつ確実なモダナイゼーションを推進することです。日立のApplication Lifecycle Management (ALM)サービスを利用して、現行のプログラムの棚卸しや可視化を行い、移行対象プログラムをスリム化していく方針です。特に、日立が新たに発足させる保険・共済分野専門のモダナイゼーションチームがプロジェクトを主導します。
さらに、日立のオープンミドルウェアを採用することで、移行作業の際にアプリケーションの変更を最小限に抑えつつ、迅速で安心・確実な移行を実現します。
効率的なシステム環境の構築
基幹システムをパブリッククラウドに移行することで、ITリソースの管理が容易となり、コスト最適化が図れます。また、先進的なIT技術を活用した開発が可能になるため、柔軟で効率的なシステム環境を整備できます。このような環境を基に共栄火災は、顧客の多様化するニーズに応じた商品開発やサービス提供を迅速に行うことができるようになります。
生成AIの活用
このプロジェクトにおいては、生成AIを活用することで移行や開発作業の負担軽減と精度向上を狙っています。プロジェクトマネジメントや移行作業を進めるためには膨大な情報が必要となりますが、生成AIの導入により、この問題を解決しようとしています。これにより、開発プロセスの精度や品質が高まることが期待されています。
今後の展望
共栄火災は、今後も多様なニーズに応えるためにシステム開発の効率化を推進し、顧客満足度の向上を目指します。また、日立はこのプロジェクトを通じて、共栄火災のDXの実現を支援し、金融機関などのシステムモダナイゼーションの推進に貢献していく所存です。
この取り組みが成功すれば、保険業界全体におけるデジタルシフトが進むことが期待され、多くの企業に革新的な変化をもたらすことでしょう。今後の進捗に注目が集まります。
会社情報
- 会社名
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株式会社 日立製作所
- 住所
- 東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
- 電話番号
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