Polimill株式会社(東京都港区、代表取締役:横田えり)は、2024年9月2日に開催された大阪スマートシティパートナーズフォーラムにおいて、自治体向けサポートAI「QommonsAI(コモンズAI)」を導入した事業が採択されたことを発表しました。この事業は、大阪府阪南市が抱える少子高齢化や地域経済の振興、インフラの老朽化といった様々な社会的課題を解決することを目的としています。具体的には、生成AIを駆使してこれらの問題に対する効果的な解決策を提供し、地域社会の活性化を目指しています。
事業の概要
このプロジェクトでは、生成AI「QommonsAI」を大阪府阪南市に導入し、自治体職員と連携して業務の効率化を図ります。具体的には、阪南市の独自データ(議会議事録、地域の統計データ、OPEN DATA等)を学習し、その知見を活かして各部署の業務を支援します。特に、プロンプトのテンプレートは阪南市のニーズに合わせて調整され、職員がよりスムーズに情報を引き出せる環境を整えていきます。これにより、市民の多様なニーズに迅速に対応できるサービスの提供を目指しています。
官民学連携と社会的インパクトの評価
さらに、単に生成AIを導入するだけではなく、その効果を実際に職員や市民が受け取る恩恵として評価するため、一橋大学ソーシャルデータサイエンス学部が監修を行い、導入の効果を科学的に測定することが決まっています。具体的には、業務効率の向上具合についてのアンケート調査を実施し、AIを活用して策定された政策に対する市民からのフィードバックを集め、政策評価を行います。このプロセスを通じて、生成AIがもたらす社会的なインパクトを定量化し、さらに改善策を導入することで実際の行政サービスの質の向上につなげていく予定です。
大阪府阪南市からの取り組み
阪南市では、デジタル技術を用いて地域の課題を解決するため、「阪南市スマートシティ推進計画」を令和6年3月に策定しました。特に人口減少、少子高齢化、行政の人材不足といった課題が顕在化している中で、デジタル技術を効果的に活用し、新たなアプローチで社会課題に取り組む姿勢を示しています。今回、生成AIの活用によって職員業務の効率化だけでなく、都市課題の解決に向けた政策立案を進めることとしています。全国的な課題解決のモデルとしての役割も期待されています。
今後の展望
今回の取り組みは、生成AIを利用して自治体業務の革新と地域課題の解決に向けた新しいアプローチとして、大阪府阪南市を登竜門とし、全国的に広がる可能性を秘めています。Polimill社は「QommonsAI」の機能をさらに強化し、自治体と住民が共により良い社会を構築できるように、官民学の連携を深めながら貢献を続けていく考えです。デジタル社会において、全ての市民が士気を高め、政策決定に積極的に参加できる仕組みを作り上げることを目指しています。