日本航空株式会社(以下、JAL)は、海外の整備士と日本の支援チーム之間の効果的なコミュニケーションを実現するために、株式会社サイエンスアーツの「Buddycom」を導入しました。この取り組みは、業務の効率性を向上させるとともに、従業員の働きがいを高めることを目的としています。
背景と課題
JALでは、多様な航空機を安全かつ円滑に運航するために、海外各地の拠点において整備士へのサポートを行っています。しかし、従来の通信手段(携帯電話、FaceTimeなど)では、個々の担当者同士の連絡が中心で、情報の即時性や正確性において多くの課題がありました。また、英語でのコミュニケーションに不安を感じるスタッフも多く、ストレスの原因となっていました。
Buddycomの導入
Buddycomを導入したことで、JALの支援チームはWindows PCを使い、海外支店の整備士はiPadやiPhoneを使用しています。この新たな環境では、最大16のグループと同時接続が可能で、リアルタイムでの支援を実現しています。Buddycomを活用すると、グループ通話に加え、定型文や音声履歴、テキスト、翻訳、画像、映像の配信機能を使えるため、情報の共有が格段にスピードアップしました。
特に、設備の不具合が発生した際には、映像配信を行いながらリアルタイムに会話することで、現場と支援部署間の情報共有がスムーズになりました。これにより、問題解決のための対応策も迅速に検討できるようになりました。
心理的ストレスの軽減
Buddycomの導入により、国内外の従業員の心理的プレッシャーが軽減され、コミュニケーションの履歴を残すことで、誤解や確認の手間も削減されました。特に、英語が苦手なスタッフにとって、言語の自動翻訳機能は大きな助けとなり、職場内での意思疎通がより楽になっています。
JALの今後の展望
JALでは、Buddycomを導入することで品質の向上を図り、出発遅延の最小化や不具合件数の削減を目指しています。現時点では、フランクフルト、ニューヨーク、ロサンゼルスを含む海外41支店のうち14支店で導入が進んでおり、全支店への展開を検討中です。更に、人工知能(AI)技術を活用し、整備士が両手を使わずにマニュアルを参照できるようにするなど、今後もBuddycomと連携していく方針です。
Buddycomについて
Buddycomは、デスクレスワーカーを結びつけるライブコミュニケーションプラットフォームであり、4Gや5G、Wi-Fiを利用して、スマートフォンやタブレットから簡単に使用できます。音声やテキスト、画像、動画を活用した多様なコミュニケーションが可能で、さまざまな業種において活用されています。
このように、JALのBuddycom導入は従業員の経験を向上させるだけでなく、グローバルな支援体制を強化する重要な一歩となっています。今後の詳細な展開に期待が寄せられています。