根室と釧路を結ぶ新たな試み
2025年6月2日(月)、北海道の根室交通株式会社とくしろバス株式会社が協力し、根室-釧路間を結ぶ都市間バス「ねむろ号」を利用した「客貨混載」の運行が始まります。このサービスは、地域の交通と物流を効率的に結びつけ、過疎地域における持続可能な交通インフラの構築を目指しています。
客貨混載の背景
過疎化が進行する北海道の道東地域では、鉄道やバスの減便、さらには廃線といった現象が顕著になっています。特に、根室-釧路間の釧路線は、利用客の減少から存続が難しい状況でした。しかし、この路線は高齢者や交通弱者にとって非常に重要な役割を果たしています。そこで、地域住民の生活をより良くするために、民間企業同士が協力し、新しい形の運営を模索することが必要でした。
客貨混載の運行システム
今回の取り組みでは、ヤマト運輸の「宅急便」の貨物を「ねむろ号」に積み込み、指定された場所へも届けることが計画されています。具体的には、以下のような流れになります。
1.
お荷物の輸送: 釧路市のヤマト運輸釧路西営業所から、厚岸郡厚岸町行きの荷物をくしろバス本社まで輸送。
2.
ねむろ号に積載: トランクルームに荷物を積み込み、根室交通のドライバーが厚岸郡厚岸町まで運行。
3.
荷物の引き渡し: ヤマト運輸厚岸営業所と「ねむろ号」の停留所「茶内」で、荷物をセールスドライバーに渡します。
このシステムにより、自治体としては重要な交通インフラを維持しつつ、根室交通やくしろバスに安定的な収入源を提供する一方で、ヤマト運輸も効率的な物流を実現することができます。これまでの輸送リードタイムも短縮され、環境負荷を軽減することにもつながります。
地域の声
関係者からは、この сотрудничество に対する期待が寄せられています。根室市の総合政策室交通政策主幹、前田純志さんは、釧路線の維持が地域住民の通院などに欠かせないものだと指摘し、官民連携の重要性を強調しました。また、根室交通の業務部長、松永美佐さんは、この取り組みが地域社会の足としての役割を果たしつつ、他業種との連携を期待しているとコメントしています。さらに、くしろバスの原央さんは、長期的な取り組みの結果、効率的な運営が実現されることを願っています。
未来への展望
この新たなバス運行は過疎地域でのインフラ維持の一つのモデルケースになり得ます。ヤマト運輸も。他の事業者との連携を通じて、地域住民のニーズに応える持続可能な運輸ネットワークを構築していくことが求められています。
このように、根室-釧路間を結ぶ「ねむろ号」の客貨混載運行は、地域交通と物流を結びつける重要な試みであり、今後の展開が非常に楽しみです。