館林市が空き家対策でクラッソーネと連携協定を締結

2023年、群馬県館林市は株式会社クラッソーネと共に「空き家除却促進に係る連携協定」を締結しました。この協定は、深刻化する空き家問題に対応するためのものであり、地域の安全で安心な環境を築くことを目的としています。

背景

近年、全国で空き家が増加しており、特に群馬県も例外ではありません。総務省のデータによると、現在全国には約900万件の空き家が存在し、その割合は13.8%に達しています。群馬県では、空き家の数は161,300件で、過去5年で3,000件の増加が見られ、空き家率は16.7%に達しています。館林市も令和2年度の調査で1,376件の空き家を確認しており、空き家問題への取り組みが急務とされています。

館林市は、空き家の管理不足や利活用の難しさに対応するため、平成29年に「館林市空家等対策基本計画」に基づく取り組みを進めています。それでも、将来的な人口減少などの懸念から、さらなる空き家の発生が予想されています。

クラッソーネの役割

株式会社クラッソーネは、解体工事を専門とする企業であり、全国2,000社以上の工事会社と利用者をマッチングするプラットフォーム「クラッソーネ」を運営しています。これまでに15万件以上の利用実績があり、空き家対策に関する公民連携事業も手掛けてきました。

今回の協定では、館林市とクラッソーネがそれぞれの特性を活かし、空き家の管理をサポートすることを目指しています。主な取り組みには、解体の費用や土地売却査定価格を提示するサービスや市民による困った空き家の情報提供フォームが含まれています。

具体的な取り組み内容

- すまいの終活ナビの活用: 市民はオンラインで解体費用や土地売却価格を簡単に把握できるツールを利用できます。このサービスは情報不足を解消し、空き家の解体を促進する役割を果たします。
- お困り空き家の連絡フォーム: 市民が迷惑な空き家の情報を自治体に直接提供できる仕組みを導入し、迅速な対応を実現します。
- 空き家価値査定シート: 空き家の構造や面積に基づき、管理コストや解体費用をまとめたレポートを作成し、所有者に提示します。
- 周知資料の配布: 空き家の所有者向けに解体の進め方についての情報を提供するフライヤーを配布し、意識啓発を図ります。

代表のコメント

館林市長の多田善洋氏は、「空き家の増加は全国的な高齢化や人口減少に伴い、生活環境に深刻な影響を与えています。この連携協定の締結により、空き家所有者の負担軽減や管理不全空き家の除却を促進し、地域の活性化が期待されます」と述べています。

一方、クラッソーネの代表取締役CEO、川口哲平氏は、「解体事業を通じて、空き家問題に対処する重要性を認識しています。自治体との連携を強化し、地域課題の解決に貢献します」と語っています。